ヘッジファンドと金融市場の安定化

bb.jpg4/30のパトマキさん講演会、ヘイキさん、カタリナさん、そして通訳の方の能力など、すべてよかったです。40人の参加でもう少し来てくれるとよかったのですが、成功です。

で、詳しい報告はまたattac本体がやってくれるでしょうから、すこしだけ講演会で言い残したこと。

質疑の中で「金融市場の不安定で損害を蒙るのはヘッジファンドなども同じ。そういうかれらを巻き込んだ金融市場の安定化に向けた提案などは可能だろうか」というのがあった。
ヘイキさんはノーベル経済学賞を受賞した学者が参加して「夢のヘッジファンド」としてもてはやされたロング・ターム・キャピタル・マネージメント(LTCM)が、98年のロシア債務不履行によって破綻し、世界の金融市場を恐慌の一歩手前にまで追い込んだことを紹介した。

ヘッジファンドとはそういうものだ、ということを言いたかったのだろう。ただ、質問の直接の回答になっていなかったとも思う。

たしかに通貨取引税を導入するのに、多くの賛同(そして運動!)が必要だ。しかし武器商人と一緒に銃規制運動に取り組むようなもので、無理だろう、とおもう。

というのもヘッジファンドは、金融市場の乱高下によってがっぽり稼ぐのだから。「金融の流動性を確保することで市場を安定化させる」などというあまり根拠のない理論によって、金融市場の一層の規制緩和が受け入れられているようだが、それを推進するやつらの狙いは一つ。ぼろもうけだ。

「個人投資家が投資しやすくなりました」とか「投資家保護」などということばも、あちこちで氾濫しているが、多国籍金融資本や政治家、官僚など、資本主義権力の中枢にちかい人びとが情報を独占している状況で、ごく一部の「個人投資家」以外の普通の「個人投資家」は、金融市場というカジノで「カモられる」対象に過ぎない。

金融市場はゼロサムゲーム。誰かが莫大な利益を上げる裏で誰かが泣きを見る。さまざまな情報ルートを持ち、潤沢な資金を有するものが勝者になるのは言うまでもないこと。

それを是とした人びととの協力は考えにくい。

話を破綻したLTCMにもどす。LTCMの創設者のジョン・メリウェザーは、「JWMパートナーズ」というヘッジファンドを新たに立ち上げている。

そのJWMパートナーズが、2月の中国発の世界同時株安に際して、円と米国債を大量に買って売り抜けをして大もうけしている。

 ○ 世界的株安で「勝ち組」も 破綻ファンド創設者、円高売り抜け
   3月3日8時0分配信 産経新聞

こういう人たちです。やっぱり協力は無理でしょう。

ジョージ・ソロスやビルゲイツなどグローバリゼーションでぼろもうけをした人間が、慈善事業に乗り出し基金を創設した、という話もある。脱税、独占、投機、マネロンなどで儲けに儲けた金を「慈善」に使うことだけでもうさんくさい。基金などを通じて寄付をすれば税金を減免されるという。同じく投機家として名をはせている世界第二の資産家(=悪い奴)バフェットは自分の保有株300億ドル分をビルゲイツ(世界第一の資産家)の財団に寄付。しかしこの株はほとんど配当のない株式だそう。なんの資金的な援助にもならない。金持ち同士が相続税支払いなどをすり抜けて株式を保管しあっているにすぎない。

また、たとえこの株式の運用からビルゲイツの財団が何らかの利益を得るようなことがあっても、それはあくまでビルゲイツ個人の価値観に基づく「慈善事業」に使われるに過ぎない。それは公正な税負担と、民主的な政策決定という、通貨取引税導入をすすめる世界のオルターグローバリゼーション運動の理念とは180度逆の考えだ。

やっぱりこんな人たちとは協力できないのではないだろうか。

みなさん、どうおもいます?

ヘイキさん、カタリナさんの話はとても分かりやすく興味深かったです。京都でもまたお会いできるとのこと。たのしみだ。

※LTCMやヘッジファンドについては『マネー革命』の2巻、3巻が詳しいです。ぜひご一読を。
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

LTCMLong-Term Capital Management(ロングタームキャピタルマネジメント、通称:LTCM)は、かつてアメリカ合衆国コネチカット州に本部をおいて運用されていたヘッジファンドである。日本語に訳すと、「長期間の資産運用」となる。.wikilis{font-size:10px;c

2007/08/01 (Wed) 23:16 | 投資最新ガイド

365%のリターンを出してソロスの富の大部分を形成した。通貨投機1992年9月16日のポンド危機で、100億ドル以上のポンドの空売りを行なったときにソロスはすぐに有名になっ

2007/08/11 (Sat) 11:59 | 金融とか