『週刊エコノミスト』2007年4月10日号---特集「円ドルの暴走」

img20060106174147.jpg『週刊エコノミスト』2007年4月10日号の特集は「円ドルの暴走」。なるほど分かりやすい。もちろん、なぜこれほど多額のマネーがあふれかえっているか、という根本にはあまり触れてはいないのですが。いくつか気になった記事があったので紹介しておきます。


東茂樹・西南学院大教授 による「タイ・バーツ-バーツ高抑制に苦慮するタイ中銀」(32頁)。、バーツ高に悩むタイ政府が、短期外資流入を規制している話。東茂樹さんはそこで「外為銀行が非住居者のバーツ購入に際して、投資資金の30%を中央銀行に預託することを義務付け、一年未満に預託金を回収する場合は資金の10%が没収されるという『トービン税』(投機を規制する税)を含んだ政策だ」と、トービン税を紹介しています。

attacなどが提唱しているトービン税(CTT)とはちょっと違う気がしますが、現在attacの通貨取引税部会の勉強会でテキストとして使っている『トービン税入門』の著者のブルノ・ジュタンさん(ちょうどいまタイ在住)も、同書のなかで「通貨取引税がここ何年かの金融危機のもとになった構造的問題すべてに対する魔法の解決方法だ、などと主張するのは間違いであろう。通貨取引税によって、危機の前およびその間に投機を阻止することは可能になる。しかし、資本の規制以上ではないし、危機のもととなる構造的な根源への解決策を与えるものではない。」(73ページ)と注意を促しているので、まあトービン税プラス、とでも考えればいいでしょうか。

トービン税の中身と理念を広く伝える努力がまだまだ必要だと感じました。

タイは軍事政権の動揺のなかで、上記資本規制の緩和へ向けた動きや日タイEPA調印など、経済政策において国内産業とグローバル市場との軟着陸をめざしているかのようです。いまだ投機マネーの大量流入によるバーツ高は続いているようです。強権的政権しか資本規制や通貨取引税導入ができないではないか、という前例やイメージを覆し、真に民主的な投機マネー規制を、オルターグローバリゼーション運動が主張しなければならないでしょう。



もうひとつ、タイ・バーツ記事の下にあった「南アフリカ・ランド」の記事に目がとまりました(ランドは南アフリカの通貨単位です)。というのも先日、僕のボロアパートのポストに大きく「世界銀行 南アフリカ・ランド建債券 年7.62%」と書かれたチラシ入りの封筒が舞い込んでいたからです。「毎月利払型・外貨建債券」「毎月利払いでマネーライフを楽しく過ごそう」など、もっともらしい宣伝文句がならんでいます。封筒には「○ース証券(株)PB二部」の印鑑。

こういう怪しげな宣伝、ウェブやメールではよく見るのですが、僕の住むボロアパートにまでチラシを配りにくるとは、かなり販売に四苦八苦しているのか、それともだましやすいと思ってなのか分かりませんが、マネーゲームもここまで来たらお笑いです。というのも僕の住んでいる地域は付近でもかなり豊かではない部類に入るからです。

同封された南アフリカを紹介するチラシには「アフリカの中で一番の国」とか「何でもそろう虹の国」とかキリンの写真とか、ロベン島とかの世界遺産の写真とか、まったく債券の信用に関係のない写真が説明がびっしり。とおもってよく見たら「信用力も高まり、さらなる飛躍を!」とかかれているところに「現在、南アフリカではこれらの問題(失業、エイズなど:引用者)を解決するために、『今後数年間で経済成長を6%にし、成長を持続させる』という新たな目標に向かって進んでいます。この目標に対してIMF南ア担当局長は『雇用と貿易の政策を変更すれば、2010年から6%とする目標を達成することが可能だ」との見方を示しています」とかいう文句がありました。うそくせー、とか思っていたら、やっぱりうそ臭かったです。エコノミストの記事ではランドが昨年5月から下落傾向にある、と。ふーん、やっぱり。

この世銀債、手元にあった『プロが絶対買わない金融商品』という本では、「毎月分配型投信と、個人向け外債の両方の悪いところを兼ね備えた、希に見る超噴飯ものの金融商品」として、「利回りが高い、主に新興国の通貨建て外債」であり、高金利、世界銀行、お徳、などの宣伝文句につられて「個人が思わず買ってしまう商品にすることで、発行体側(この場合は世界銀行:引用者)のコストが下がり、そのメリットを業者(この場合はエース証券あるいはその元受金融機関:引用者)と折半できること以外には考えられません」としっかり紹介されています。(ちなみに『プロが・・・』の本自体は「そんな債券を買うより外為証拠金取引のほうが徳ですよ」ということを薦める悪い本です)

高金利→インフレ→通貨安が一般的な傾向だという。こんな為替リスクのある商品、だれが買うんだ?ということで金余り+07年大量退職金+年金不安などの社会状況にあるニッポンが資金調達に狙われているのでしょうか。デリバディブ投機マネーがいかに世界と日本のマネーをカモッたかを描いた『大破局 デリバディブという「怪物」にカモられる日本』(徳間文庫、2001年)は、いまだ続いているようです。

一応、○ース証券のサイトを見てみたら、世銀債はさらに「年率7.8%」になっている・・・

投機マネーを規制しよう!
通貨取引税の導入を!

トービン税(通貨取引税)コーナー ATTAC Japan(首都圏)ウェブサイトより
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2007/09/29 (Sat) 06:53 | 大阪企業