巨龍のくしゃみが引き起こす世界同時株安

china.jpg2月28日、中国発の株式市場の全面安が世界を駆け巡りました。

97年のアジア通貨危機では、世界的な金融市場との融合がまだ進んでおらず非居住者の人民元取引に対する厳しい規制などによって通貨危機の中国への拡大を結果的に食い止めることができました。

あれから10年。念願のWTO加盟を果たした中国は、WTO加盟国との約束である金融市場の規制緩和を進めつつ、中小国有企業の株式会社化=民営化、巨大国有企業の海外株式市場での上場などを進めてきました。そして「巨龍のくしゃみ」で世界的な株価の下落を引き起こすまでに、中国と世界の株式市場は「一体化」してしまいました。
中国・上海の株式市場の下落の理由は加熱しすぎたバブルの反動やキャピタルゲイン課税導入のうわさなど、さまざまに言われています。ニューヨーク、東京、ロンドンなど主要な株式市場では中国株の全面安を受けて、一挙に売りが集中したことで、世界的な全面安になった、といわれています。

いまattacCTT(トービン税)部会では『トービン税入門』(ブルノ・ジュタン著/和仁道郎/社会評論社)の勉強会をしています。第一章のなかで著者でattacフランス学術委員会のブルノ・ジュタンさんは株式市場における投機家の動きに対して次のように述べています。

「投機家は、ある株式の内在的価値や、ある企業が長期的に生産的活動によって利潤を引き出す能力には、興味がない。彼は、単に、金融資産の価格が明日どのように動くかを当てようとするだけである。」(23頁)

「情報や噂が過度の重要性をもつようになる。その信憑性がどうであれ、たとえ誰もそれを信じていなくてさえも、意見の突然の変化につながることがある。投機家にとって肝心なのは、ある情報が市場によってどのように解釈されるかを予測することである」(26頁)

「すべての金融市場参加者が、一国の経済状態についてのある種のファンダメンタルな確信を共有しながら、なおかつ、市場は別なことを信じていると考えるがゆえに、その確信と違ったふうに行動することがありうる」「その結果、金融市場は、経済の現実から完全に切り離された強気もしくは弱気の傾向につながることがありうる」(28頁)

つまり、投機行為は経済の実態を反映しない、ということです。そしてこのような投機マネーが実体経済の何百倍もの規模で世界各地を駆け巡り人々の生活をゆすぶっているのです。

こんな投機マネーに課税を!

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おまけ

中国の株式市場は「国有企業改革」という名の公共財の私有化=民営化の推進の過程で整備・発展してきました。中国における国有企業の民営化はデタラメのオンパレードでした。

→まず国有企業を株式会社にする
→全従業員の持株会社にする
→出資という形で株式を会社に投資させる
→経営不振による倒産
→二束三文で部外者(実際はその企業の経営陣の関係者)に売却する
→民営化完了!

その過程で労働者はリストラされ路頭に迷うことになります。中国の中小国有企業はほとんど民営化され、のこる巨大な国有企業も一部をのこして民営化が進んでいます。そして残った巨大国策国営企業は世界中でM&Aなどを進めています。
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