政府・与党が残業代割増法案--これっておかしくない?

20070125keep8-02.jpg残業代ネコババ法案、ホワイトカラーエグゼンプションを労基法改正案にはいれず、割増賃金率のUPを先行させることを政府・与党が決めた、というニュース。

80時間超は50%に=中小企業、3年間猶予-政府・与党、残業代割り増しを先行(時事通信) - 2007年2月6日
<安倍首相>WE見送り、時間外賃金の割増率引き上げ指示(毎日新聞) - 2007年2月6日

支持率がた落ちの安倍政権は、四月の統一地方選や七月の参院選前に評判を落としたくない、だから聞こえのいい残業代割増を優先させた、ということのようだが、だまされてはいけない。
ひとつには秋以降、再び法案化を狙っているホワイトカラーエグゼンプションが導入されてしまえば、どれだけ残業代が割増されても関係ない、というものだ。だがこれは今回はあまり重要ではない。

なによりも問題なのは、月80時間を越える残業に対してのみ、割増率を現行の25%から50%に引き上げる、ということだ。80時間以下はこれまでどおり25%の割増だけでセコイのだが、月80時間とは何を意味するのか。

そう、月80時間とは過労死の労災認定基準のひとつなのだ。脳や心臓疾患にかかわる過労死認定基準は、残業が「発症前1ヶ月で百時間」か「発症前2~6ヶ月間にわたって1ヶ月当たり80時間」を超える場合は、業務と発症の関連性が強いと判断される。

てことは何かい、死ぬほど(いや、本当に死ぬ)働かせたから50%割増し?おかしいだろ!本来であれば人を死に至らしめるほどの労働時間はあってはならない。規制どころか取締りの対象にならなくてはならないのだ。

もしかりに80時間以上の割増率を設けるのであれば過労死の補償額と同程度の割増賃金を支払ってもおかしくないくらいだ。死んでしまってからでは何をやっても遅い。

労基法に過労死を前提とした割増賃金率を書き加えるとは、労基法の精神からいっても本末転倒だ。こんな稀代の悪法は永遠におさらばだ! こんな金で命を叩き買うような法案にだまされてはいけない。政治家や経済界らのタヌキ芝居はもうたくさんだ!

タヌキ芝居
<同友会代表幹事>WE抜きの労基法改正案提出に懸念表明(毎日新聞) - 2007年2月6日

いま本当に必要なことはしっかりとした労働時間規制だ。中労委の調査では大企業の三社に一社が月100時間以上残業をする人がいるという結果が出た(毎日新聞)。

日本労働弁護団がまとめた「06年版 長時間労働酷書」では、四人に一人が月80時間以上の残業をしているという05年総務省労働力調査結果を紹介している。

05年の脳・心疾患の過労死労災申請件数は869人、認定件数は330件。うち過労自殺は147件の申請が行われている。毎日2人以上が過労によって殺されている。企業は労働者から命までも搾取する。

2月23日と3月23日は集会とデモが予定されている。参加を!

2月23日(金)
 日本版エグゼンプションにとどめを!
 人間らしく働くための労働法制を!2・23集会
  時間:夜
  場所:総評会館2F(新御茶ノ水駅)
  主催:共同アピール

3月23日(金)
 けんり春闘行動
  13:30経団連抗議行動
  夜:社会文化会館で集会と請願デモ

※ もちろん過労死認定基準の80時間という基準そのものの妥当性も問われなければならない。80時間に満たなかったことを理由に過労死と認定されなかったケースが多々あるからだ。疲労や家老の出方や感じ方は人それぞれだ。出勤記録データを隠したり改ざんしたりする企業もあるし、サービス残業もいっぱいだ。おかしいことだらけの日本の働き方も考えたい。


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