
クリスマスデコレーションにあふれる新宿南口で「不払い残業の国から安倍サンタがやってきた!ぶっとばせ『残業代0円・過労死促進法』日本版エグゼンプション」の街頭宣伝でチラシまきをしていたときに、サングラスにカウボーイハットとブーツの男性に突然声をかけられた。
彼の手には「過労死、過労自殺、過労うつ、残業代0円、格差拡大・・・」と大きく書かれたチラシが握られている。いま僕が配っているやつだ。
「あー、からまれるのかな~、めんどくせー」とか思いながら「これですか」とチラシを見せながら聞き返す。
(写真:清水直子さん提供)
「そうすっよ。おかしくないですか」と。どうやらホワイトカラーエグゼンプションに対して怒っているようだ。ほっ。
「こんなことして誰のためになるんですかね。いまだけ儲ければいいっていう会社とか政治家とかが考えたんじゃないですか」といろいろ話しかけてきてくれる。
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いま厚生労働省の審議会でホワイトカラーエグゼンプションをめぐり労使を交えて交渉が行われている。使用者側は、8時間という労働時間の縛りをはずしたい。そうすることによって(1)何時間働かせても残業代を払わなくてもいい、(2)長時間労働で労働者が過労死しても企業の責任を回避することができる、など企業側にとってメリットが非常に大きいからだ。
ホワイトカラーエグゼンプションの対象は、一定の年収以上の労働者(経団連は400万円以上といっている)といわれている。400万にのぼるフリーターや、零細企業の低賃金労働者などには関係ないのか、というとそうではない。業界内や職場内で身分がより不安定な労働者に労働時間の効率化の圧力がかかるからだ。
政府は来年1月25日からの通常国会に法案を上程しようとしているという。無制限な長時間労働か、不安定な低賃金労働か、このどちらかしか選ぶことができないような社会はごめんだ。いまのうちからぶっつぶそう。
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今日の街頭宣伝では、ガテン系コスプレとメイドコスプレ、そして安倍サンタ、ホワイトカラーエグゼンプション紙芝居などが、人々の注目を浴びたこともあり、おもったよりもチラシの受け取りがよかった。わざわざチラシを取りに来る人もいた。関心は結構高い。
労働側はホワイトカラーエグゼンプション導入反対で一致している。野党もそうだ。人々の関心も低くは無い。問題点を広めるチャンスはまだまだある。
不安定な雇用、長時間労働、そして団結権の骨抜きなど、金持ち大企業とその意向を受けた政府の新自由主義グローバリゼーション政策は、時代の針を150年もまき戻すようなとんでもない代物だ。
2006年春、世界をゆるがしたCPE(新雇用契約)導入反対をかちとったフランス青年たちのたたかいを思い起こす。街頭でのアピールやデモの先頭にたったのは青年・学生達だった。
低賃金と不安定雇用に苦しむ青年、女性達とつながり、格差社会の問題として、新自由主義グローバリゼーションの問題として、この問題にとりくみたい。長時間労働、過労死、低賃金、職場いじめ、女性差別、不当解雇、そして搾取のないもうひとつの世界のために。
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「どうすればいいっすか?」。ウェスタンスタイルの彼に聞かれた。配っていたチラシには「何かしたい!という方は」としていくつかの行動を提起しているのでそれを説明した。
・厚生労働省のウェブサイトから意見・要望のメールを送る
・地元選出、厚生労働委員会に所属する与野党の国会議員にメール・FAXを送る
・自分や家族、友人、恋人の働き方も話題にしながら、毎日、誰かに日本版ホワイトカラー・エグゼンプションについて話す。ブログや掲示板に意見を書く」
12月27日には、厚生労働省の審議会でホワイトカラーエグゼンプションが話し合われる。全労協など労働組合は抗議行動を予定している。抗議行動は厚生労働省前(東京都千代田区霞が関1-2-2)で17:00から。審議会は17時00分~19時00分までおこなわれているので、もし時間のある方はぜひ立ち寄ってもらいたい。
無数の街頭宣伝、デモ、抗議行動、集会で、まだ見ぬ青年たちとともに労働法制の大改悪を葬り去りたい。
過労死促進法に反対する共同アピール運動
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