盗人猛々しいとはこのことか--世銀のアフリカ経済発展に関するプレスリリースを読んで

1-23-05-Africa-debt.jpg盗人猛々しいとはこのことか。世界銀行東京事務所のホームページに掲載された文書「アフリカの直面する成長課題:機会、制約、戦略的方向性」プレスリリースを読んで思った率直な感想だ。
世界銀行東京事務所は、毎月「特集」と称してホームページ上に関連する情報を掲載している。今月の特集は「アフリカの直面する成長課題」。

「2005年9月に発表した『アフリカ行動計画』で掲げた政策助言を行うための分析」として「アフリカの直面する成長課題:機会、制約、戦略的方向性」を11月9日発表。プレスリリースでは「アフリカの経済成長達成に必要な4 つの『I』:インフラ(Infrastructure)、投資(Investment)、技術革新(Innovation)、制度強化(Institutional Capacity)」というタイトルで、アフリカの経済成長の展望を述べている。

(資料)アフリカの経済成長達成に必要な4 つの「I」

Attacはこの間、途上国債務の問題について、素人ながら勉強会を開いたり、IMF/WB総会への対抗フォーラムへ参加しようと格闘してきた。また来年1月には、ケニア・ナイロビで世界社会フォーラム2007が開催されることもあり、アフリカや債務問題にも関心を寄せてきた。

日本政府はこの間、11月21日エクアドル8億円、239万7,300ドル、11月17日 モルドバ18.2億円、11月10日 ガイアナ、59万1,300米ドルなどの債務帳消しを行ってきた。

(資料)外務省国際局有償資金協力課

しかし、前述の世銀プレスリリースを読んで、これら日本政府の債務帳消しの理由が、決してお情けや対象国の事情から出たものではないことがはっきりする。

世銀プレスリリースは述べる。「1 日1 ドル未満でかろうじて暮らしている最貧困層は1970 年には人口の36%であったのが、2000 年には人口の約50%(3億人)に増えた」。「多くのアフリカ諸国で全面的なマイナス成長が約20年間(失われた20年)続くこととなった。だが2005年までに、アフリカでは再び成長が始まり、1960年代当時の水準にまで回復した」。

何を他人事のように言っているのだ。世界銀行は、世界の貧困を削減することを謳って戦後途上国世界に君臨してきたのではないのか。その結果が「1960年代当時の水準にまで回復した」。時計の針が半世紀近くも逆にねじ回されている。

日本を始めとする金持ち国は、途上国から搾れるだけ搾り取り、その結果、もうこれ以上は搾り取れないところにまで債務国を追い込んできたのではないか。途上国債務問題は、貸す側の、金持ち国の側の金融のグローバリゼーションの問題である。日本政府が実施した債務帳消しは、G8が実施してきた債務救済政策の失敗としての真っ黒くろに焦げ付いた不良債権を処理したに過ぎない。

少なくとも20年来の政策の失敗を棚に上げて、アフリカが発展するためには四つの「I」が必要だ、とよく言えたものだ。

世界銀行東京事務所は、この間、NGOとの対話ということで、NGOの担当者を講師として学習会を開催している。その場を活用することも一つの方法かもしれないが、自らの政策の失敗を率直に認めることなく、NGOとの対話路線によって、新自由主義グローバリゼーションの国際機関の責任をあいまいにしてはなるまい。
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