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香港:「反送中」戦役の勝敗の前に「反国歌法」戦役が始まる(6/19)

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▲2019年6月16日の200万+1人デモの出発地点。「中断は撤回ではない」の横断幕

香港民衆の抵抗はしばらく続きそうだ。友人の區さんも6月に入ってから何本か論評を書いている。遅くなってしまったが時間をみて訳出していく。

香港独立媒体に掲載された原文はこちら

◎反送中一役未完,國歌法戰役又開打
https://www.inmediahk.net/node/1064988

「反送中」戦役の勝敗の前に「反国歌法」戦役が始まる
區龍宇
2019/6/19掲載

6月9日、6月12日、6月16日と、段階的勝利をかちとってきたことは確かである。「まだ段階的勝利とか、くだらねぇこと言ってんのかよ!」と言うものもいるだろう。しかしわれわれは6月12日の暴動規定の名誉回復だけでなく、この「段階的勝利」という用語も名誉回復させなければならない(※)。

(※排外主義本土派は「勝つか負けるか」「最後の決戦」などに固執し、「段階的勝利」を負け惜しみの阿Q精神だと非難してきた:訳注)

たしかに一部の者がこの用語を濫用、誤用してきた状況もあったが、だからといって「段階的勝利」という事実がなくなるわけではない。今回の中国への送還条例反対運動(以下「反送中運動」)は、まちがいなく「段階的勝利」をかちとった。

軍事学の常識によると、軍事作戦には戦争、戦役、戦闘の三段階がある。われわれが現在直面しているのは戦争ではないが、政治学と軍事学の共通点は多い。政治闘争と武装闘争はともに勝利することを目標としている。ゆえに、香港の民主化運動にそれを当てはめてみると、戦争は民主的自己決定権をかちとることであり、戦役とは基本法23条の法制化への反対、道徳国民教育への反対、雨傘運動における普通選挙権の実現など、課題ごとの抵抗であり、戦闘とは戦役を構成する個々のラウンドのことである。

「反送中」運動は新たな戦役であり、議会から街頭まで、すでに多くの戦闘が行われてきた。そして冒頭の三つの戦闘こそが勝敗を決める戦闘となった。われわれはついに「売港奴」政権(※)に法案棚上げさせたのである。もちろん我々はかれらの約束など信じてはいない。人治社会であればあるほどこう言った「約束は守りますよ」といった騙し合いが横行するのである。

(※「民主化運動は海外から支援を受けた売国奴の運動だ」という親中派からのレッテルに対して、香港を危機に陥れる政権という意味で用いている:訳注)

とはいえ「無期限の延期」をかちとったことは、間違いなく一つの指標的な勝利である。この三日間の闘争は、(社会の主人公である)市民の威風をおおいに発展させ、(公僕たることを忘れた)役人の士気を大いに損ねた。この二つの陣営の勢いのコントラストは一目瞭然である。

われわれは一つのラウンドに勝利しただけである。しかしそれによって更なる時間を獲得し、更なる勇気を得て、闘いを継続することができる。今回われわれが獲得した大きな勝利を誰も否定することはできない。「反送中」戦役はまだ完全勝利ではない。だから闘いを放棄するわけにはいかない。しかし少なくともハッキリさせなければならないのは、今回の戦闘に勝利したのか敗北したのかということである。それを間違うと「段階的勝利」なのかどうかも分からなくなってしまう。

間違わずに判断できたのであれば、現在は勝利に乗じた追撃が可能だということがわかるだろう。実際に、戦役の第二幕は間もなく切って落とされようとしている。立法会のウェブサイトでは6月26日に国歌法(※)の二回目の審議を行うと予告している。日程が変更されたとしても、国歌法が次の重要な戦役になることは間違いない。国歌そのもの、あるいは国歌法それ自体が問題とはいえないまでも、いまの国歌法は問題、いや大問題だ!民主派は全力にこれに反対しなければならない。

(※中国国歌「義勇軍行進曲」に対してブーイングや歌詞改編などの「侮辱」を禁じた法案が今年に入って上程された:訳注)

もちろん「反送中」闘争がいまだ道半ばであることを忘れてはいない。現在、あるいは今後も「反送中」運動のすべての要求を実現するために奮闘するだろう。さまざまな運動の要求は優先順位などがあるだろうが、基本的には、この二つの戦役[反送中と国歌法反対]は一つの戦役となるだろう!もちろん「明日のランタウ島」計画に対する反対闘争ももうひとつの戦役である。

戰鼓又快敲響了。準備好吧,各位戰友!但記住,不要做豬隊友,不要誤傷自己人。做什麼都應該顧住所有其他戰友的安危。用力也要用腦。

まもなく戦鼓が打ち鳴らされるだろう。戦友たちよ、準備はいいか!だが次のことを銘記してほしい。仲間内の足を引っ張るなかれ、自軍を傷つけることなかれ。何をなすにせよ、他の戦友の安全を常に考えるべきである。腕っぷしだけでなく頭を使うことも必要なのだ。
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