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塹壕を乗り越えて交歓を!―――米中貿易交渉の延長(その1)

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3月1日を期限としていた米中貿易協議は交渉が延長されることになり、3月2日から米国が発動を予定していた中国製品2000億ドル分の関税率を10%→25%への引き上げも遊歩された。今後は3月下旬といわれているトランプ・習近平のトップ会談での交渉決着を目指すといわれている。

米中貿易戦争の再開という緊迫した状況がつづいた2月には日本経済新聞に興味深い記事が掲載されていた。たとえば2月25日の朝刊には、「中国の対米輸出 日本が付加価値」「日本の部品使い完成品」という記事は、漠然とはわかっていたことだが具体的な数字をあげて紹介している。

2015年のデータでは、中国が世界に輸出する完成品約2兆ドルのうち、外国からの部品を使った付加価値分は19%、3700億ドルが含まれているらしい。うち日本は約1.8%、346億ドル、米国分は2.1%、韓国分は2.2%、台湾分が1.7%など、グローバルに展開するバリューチェーンは中国での最終組み立て工程を経て、再び米国を中心とする世界各地で価値として実現する構造が定着している。

中国の輸出を品目別にみると、ファーウェイ問題で揺れる情報通信機器が最大の輸出品目だが、4900億ドルの輸出額のうち日本分の付加価値は3.3%に上るという。ユニクロも含まれる繊維・衣服では0.8%、電気機械で2%、一般機械では1.6%。日本の輸出全体に占める割合を付加価値ベースでみると、対中国は20%、対米は22%を占める。つまり米中間の貿易戦争に日本も参戦しているということだ。

付加価値とは労働によって新たに付け加えられた価値のことであり、その意味では、サプライチェーンやバリューチェーンといった資本の側の国際連帯だけでなく、中国と世界の労働者の運命は資本以上に運命共同体であるが、資本という司令官が指揮する貿易戦争によって、労働者は国境と貿易障壁という塹壕を挟んで対立させられている。

「塹壕を乗り越え交歓を!」「銃口を上官へ向けよ!」という反逆の号令はまだ聞こえない。

2019年3月2日記
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