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『文化大革命五十年』(楊継縄、岩波書店)

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中国の佳士(JASIC)社での労働紛争で、労働者や支援の学生たちが弾圧されたことに関して、香港の友人の區龍宇さんが、草の根労働運動における毛派左派と社会民主派(リベラル派)の二つの潮流とごく少数の革命派について書いたマニアな論考を翻訳してマニアな機関紙に掲載してもらいました。

・區龍宇:中国の自立的労働運動の「二つと半分」の潮流(週刊かけはし2019年1月1日号)
http://www.jrcl.net/190101g.html

ところが岩波書店から出たばかりの『文化大革命五十年』(楊継縄、2019年1月)の日本語版序文でも、毛沢東左派、自由主義者、当局の対応についてわざわざ解説されていたので(革命派については勿論言及はありませんが)、ちょっと抜き書きして紹介しておきます。著者の楊継縄氏は体制内改革派の知識人です。

◎楊継縄氏は中国をどう見ているか
30年になる改革によって樹立された制度は「社会主義市場経済」を名のってはいるが、実質は「権力市場経済」(権力支配の市場経済)とも「国家資本主義」とも呼んでもよい)である。つまり国家の行政権力が市場を支配し、コントロールしている。……この社会的不公正を前にして中国社会には二つの相対立する思潮が現われている。……

◎毛沢東左派は社会的不公正をどう見ているか
…中国はすでに修正主義を政治的特徴とする官僚独占資本主義となっている。…この社会の政治的統治は、官僚独占資産階級が主導するすべてのブルジョア階級によるファシスト独裁政治である。…毛主席、我々はあなたのことを思う!…中国においてマルクス・レーニン・毛沢東主義の科学的社会主義を再建する……

◎自由主義者は社会的不公正をどう見ているか
……自由主義者は、現代の中国人は権力が制約されない上部構造と資本が制約されない経済的基礎という二つの現実に直面せざるをえないと考えている。…その解決策は、権力を抑制均衡させ、資本を制約する制度を作り上げることであり、その制度こそが立憲民主政治なのである。……

◎執政当局はこの二つの動きにどう向き合っているか
この二つの勢力はいずれも現政権に対する脅威であり、社会の安定を破壊しうるものである。…当局は二つの勢力の極端な行動に対しては制圧を加え、穏やかな動きに対しては適宜に許容している。しかし毛派は元からあるイデオロギーを擁護する面で当局と共通するところがあるため、毛派に対してはいつも手心が加えられている。自由主義者は改革開放を支持し、当局はその力を借りることもできるが、常に自由主義者は「西側」「資本主義」と結び付けられ自由主義への圧力の度合いは毛派へのそれを超えるものとなっている。…

・・・以上、ちょっと長いですが、『文化大革命五十年』の日本語版前書きから抜き出して紹介しました。

區龍宇さんの論考では、毛派左派と自由主義派左派ともに党内改革派に期待をかけてきたが、そこから自立して労働問題で統一戦線を組むべきだと提起しています。

『文化大革命五十年』岩波書店公式サイト
https://www.iwanami.co.jp/book/b431803.html
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