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一帯一路への協調融資はG20で加速する

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1月16日から18日にかけて、G20財務相・中央銀行総裁の代理会議が東京で開催されました。今年6月末に大阪で行われるG20サミットのキックオフ的な意味合いのある国際会議です。

とりあえずメモランダムがてら書いておきます。

・財務大臣・中央銀行総裁代理会議(2019/1/17~18)
https://www.g20fukuoka2019.mof.go.jp/ja/meetings/

リーマンショックのときに首相だった麻生太郎財務相が開会のあいさつをし、そこでG20財務相・中央銀行総裁会議の三つのテーマ設定を語っています。

「第1に、グローバル・インバランスや高齢化など、長期にわたる構造問題を含む、世界経済のリスクと課題の整理に取り組む。」

「第2に、成長力強化のための具体的取組をG20としてどのように加速させるかについて議論する。」

「第3に、技術革新・グローバル化がもたらす経済社会の構造変化を取り上げる。」

気になっているのは、第2の「成長力強化のための具体的取組」です。

麻生はこれについて、「質の高いインフラや人への投資や、低所得国における債務持続可能性をいかに確保するか、を議論することが必要」と語っています。

◎財務大臣挨拶:G20財務大臣・中央銀行総裁代理会議(2019年1月17日於東京)
https://www.g20fukuoka2019.mof.go.jp/ja/meetings/pdf/20190117_2.pdf

これは、昨年来コミットを明らかにしてきた中国の「一帯一路イニシアチブ」について、日本が「質の高いインフラ投資」を担い、中国のAIIBなどの投資による「低所得国における債務」の内情を明らかにさせ、日本の投資のリスクを軽減し、低所得国からの収奪を持続可能にしたい、ということです。

日本総研のこちらの記事(https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=33071)によるとAIIBは、

「2016年6月の初承認から現在までの2年間に承認したプロジェクトは29件、投融資総額は約54億ドルと、1年間の融資・援助額が約300億ドルに達するアジア開発銀行(ADB)と比べれば小規模にとどまっている。」

一方、

「29件の承認プロジェクトのうち、単独融資・出資の案件は少ない。AIIBは多くの案件で、ADBや世界銀行(グループ内別組織も含む)、欧州復興開発銀行といった他の国際開発金融機関(MDB)との協調融資を選択し、融資額も総じて他のMDBと同額以下に抑えている。この背景には、プロジェクト融資に対するノウハウの蓄積を優先させたいという判断とともに、貸し倒れを極力回避したいという安全志向があるものと考えられる。」

つまり、ADBや世銀など、日本の財務相が影響力を行使できるADBや世銀などを通じて、AIIBをはじめとする中国の一帯一路によるグローバルな投資に、「質の高いインフラ」「透明性と責任のある投資」という立場から積極的にかかわっていくことになると思われます。

「日本が売られる!」とけたたましく叫ばれてうんざりする感のある「水の民営化」も、「質の高いインフラ」の輸出という狙いからとらえ返せば、日本が奪う側になる、という一帯の路がアジア・アフリカにつながっているようにも見えます。

今年、福岡や大阪で開かれるG20会議は、その一つの路の一里塚ともいえます。

もちろんattac的には、「途上国」に押し付けられる債務だけでなく、金融取引税をはじめとするグローバルな国際課税についても関心のあるところです。6月の福岡でもそれが議論されるようですが、率直に言って、グローバルな国際課税にブレーキをかける役割を、日本政府は果たしているのではないか、と思えるくらい消極的ですね。なんですか、この1月から導入された出国税って、という感じです。
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