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ダイベストメントと「生涯現役」社会 ――― System Changと怠ける権利

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あんまり時間がとれないので、会員メーリングリストで短く問題提起しようかとおもいます。
紹介する下記記事の中身にも踏み込みません。各自で確認していただくか、今度のattacの集まりででも紹介します。

今朝9/5の日経新聞の一面トップは、

「脱化石化燃料へ 株売り圧力」
「世界900超の投資家表明」
「企業に事業転換促す」

という大見出しで、「ダイベストメント」(環境汚染企業への投資を撤退=株売却したり、投資を環境配慮企業に振り向けること等)を取り上げています。日本の企業のこともとりあげています。日本でも350.ORGなどがNGOとして取り組んでいます。

かたやCOPの会場周辺や環境破壊の現場などでオルタグローバリゼーション運動が掲げるのがご存じ、「Climate Justice」(公正な気候問題対策を)や「System Chang Not Climate Chang」(変えなければならないのは気候ではなくシステムだ)というスローガンが叫ばれています。

こちらのほうは日本ではなかなかお目にかかれないですが、FoE Japanのサイトに、Climate Justiceのページがあり、「システムチェンジが必要なわけ」というパンフレットも掲載されています。

・気候正義とは(FoE Japan)
http://www.foejapan.org/climate/about/climatejustice.html
・Climate Justice Now 日本でシステム・チェンジが必要なわけ(パンフ、PDF)
http://www.foejapan.org/climate/about/pdf/ClimatejusticeNow_S.pdf

ダイベストメントはシステムのチェンジではなく投資先のチェンジで、システムはそのままですが、FoEのパンフもチェンジするシステムのことについてはそれほど言及がありません。

で、わざわざ今日の日経新聞の一面記事を中身もなく紹介したのは、昨日の日経新聞の一面記事があったからです。

大見出しは、

「『生涯現役』へ3年で改革」
「社会保障、まず雇用」
「首相インタビュー」

という文字が躍っており、みたくもない首相の顔写真が掲載されています。

昨日も投稿しようかと思ったのですが、台風&ニュース発送の準備で時間もなく、まあいいかと思っていたのですが、今朝の「ダイベストメント」の一面記事をみて、やっぱり書いておこうかと思ったわけです。

気候変動に対するオルタグローバリゼーション運動のSystem Changの中身として、とりわけ日本で重要なことは、労働条件の切り下げを伴わない労働時間の圧倒的削減かとおもっていますが、安倍の「生涯現役」発言は、(生涯の)労働時間の圧倒的な延長であり、総資本とそれに雇われた資本家政府によるSystem Changではないか、と。

もちろん厳密に言えば、資本主義というSystemのグローバルな競争における反動(あちらからすれば改革)ですが、最近では言わなくなった感じのある「生産性革命」や「人づくり革命」という言葉の使い方すれば、「あちらの側のSystem Chang」と言ってもいいかなぁ、と。

ちょっと前までは「世界を変えるために(あるいは「世界を変える前に」)自分の生活を変えよう」といった主張には鼻白むところがあったのですが(たしかスーザン・ジョージも『オルター・グローバリゼーション宣言 もうひとつの世界は可能だ!もし…』のなかでそんなことを言っていたような気がする)、最近では、そうでもないかな、とも思っています。

Changする「生活」のなかで重要なものとして「長時間の労働」を言うのであれば、「自分の生活を変えよう」も悪くないか、と。長時間で過酷な労働によって、工業的農産物やファストフードやファストファッションという、人間を含む自然環境の汚染を伴う長時間労働の外部化によってつくられる商品を購入せざるを得なくなるのであり、「生活を変える」ということがその状況のChangと直結しているのであれば、そう悪くもない。

今回の安倍の「生涯現役」というのは、定年延長から当然にも社会保障システムにまでつながるものですが、それに対して「定年延長」の条件闘争だけに終わっているような現実があります。もちろん労働の現場では原理原則だけを言っていてもダメで、交渉とは妥協であるということもまた事実ですが、少なくとも原則的な立場をハッキリとさせて、疑義を提起することがなければ、厳しい状況の中でいっそう受動的にひどい労働条件を受け入れざるを得なくなるのではないか、と思います。

安倍インタビューの「生涯現役」に関する箇所の発言だけを紹介しておきます。

「いくつになっても意欲さえあれば働ける生涯現役、生涯活躍の社会を次の1年をかけて作り上げたい。評価・報酬体系の整備を進めて65歳以上への継続雇用年齢の引き上げを検討する。中途採用の大幅な拡大にも取り組んでいきたい。いわば働き方改革の第2弾として生涯現役時代の雇用改革を断行したい」

ひどい話です。

65歳までの賃金を下げて、65歳以降の賃金に回す。いまの中国と同じように、金銭解決で解雇自由の社会にする。過労死促進の働き方改革の第1弾につづき、一生涯賃奴隷の生涯現役時代の雇用改革を断行する、ということです。

少し前から言ってるんですが、いまいち支持を得られない「怠ける権利」ですが、このスローガンの中身を具体的に練り上げて提起していくことが、労働運動をはじめとするオルタグローバリゼーション運動の一部であるエコ社会主義者の役目ではないか、と思っています。

エコ社会主義者の一人だとおもっているウィルアム・モリスの『ユートピアだより』にも、たしか、早くに引退する社会になっている状況を描いたシーンがあった気がします。労働時間も短いし、もちろん賃労働は過去のものになっており、労働の報酬は「生きることそのもの(=生活)」であり、特別によい仕事の報酬が、かつては神のみが得た「創造という報酬」だとかいうセリフなどもありました。こちら参照。

・日経新聞「生産性考」と夢物語、またはユートピアだより(2017/11/28)
http://attackoto.blog9.fc2.com/blog-entry-399.html

「ダイベストメント」や「持続可能な開発目標:SDGs=Sustainable Development Goalsを掲げる環境破壊の工業先進国の社会運動は、労働時間と生活の問題をラディカルに考える必要があると思います。

やっぱり「怠ける権利」の旗、必要じゃないですかね~。

「怠ける権利」についてはこちら

・怠ける権利――1848年の労働の権利に対する反駁:ポール・ラファルグ、1880年(2018/04/26)
http://attackoto.blog9.fc2.com/blog-entry-415.html

ああ、長くなってしまいました。やっぱりブログにUPします。
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