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党大会代表2287名、海外逃亡後に捕まった腐敗党員3339人

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今月18日から中国共産党19回代表大会が開催されますが、大会出席の2287名が選出された、という報道です。もちろん習近平はじめ党政治局常務委員7名の指導部もここに含まれています。日本メディアの報道では後継者争い(習近平の後継者は習自身とか)に関心が注がれているようですが、それにはあんまり関心がなく、むしろ中国資本主義のさらなる展開が内外の階級状況にどのようなインパクトをあたえるのか、ということに関心があるのですが、それはさておき、

◎党19回代表大会の全代表2287名が選出される(2017/9/29)
http://cpc.people.com.cn/n1/2017/0929/c64387-29568457.html

という報道の紹介です。

上記リンク先を直訳すると、

「党中央の統一的配置により、党19回代表大会の代表選出業務は順調に完了した。全国の各選出単位はそれぞれ党代表大会あるいは党代表会議を開催し、2287名の19回代表大会の代表を選出した。」

「党の19回代表大会の代表は、党規約と中央の代表選出業務基準に厳格に合致し、党の指導の堅持と民主主義の有機的統一の発揚、下から上への手続きをとり、上級と下級を結合し、反復したすり合わせ、段階的という方法によって選出された。」

「選出された代表は中央の規定に合致し、比較的高い思想的政治素質をもち、良好な作風品行と比較的つい良い議事能力をもち、それぞれの持ち場において顕著な業績を上げた共産党員の中の優秀分子である。代表の構成と分布は比較的合理的であり、それぞれの構成比率も中央の要求に合致し、広範な代表性を有している。かれらのなかには党員指導幹部、生産の第一線の党員、一定数の女性党員、少数民族の党員、経済、科学技術、国防、司法、教育、宣伝、文化、衛生、体育、社会管理などの各方面からの代表が含まれている。」

つまり、

「党の19回代表大会の代表は、党規約と中央の代表選出業務基準に厳格に合致し、党の指導の堅持と民主主義の有機的統一の発揚、下から上への手続きをとり、上級と下級を結合し、反復したすり合わせ、段階的という方法によって選出された。」

ということは、党の上部組織(一番上は政治局常務委員会になるのかな)が認めた党員しか代表になれない、ということです。党組織としては当然ですが、党内民主主義のない組織においてこれが貫徹されるということはどういうことかは言うに及ばずです。

◎中国共産党第19回全国代表大会の代表2287人の名簿(2017/9/29)
http://cpc.people.com.cn/n1/2017/0929/c64387-29568498.html

◎図解:19回大会の代表の内訳や選出方法は?(2017/9/30)
http://dangjian.people.com.cn/n1/2017/0930/c117092-29570771.html
↑リンク先のの図内訳はたとえば労働者が198人、農民が86人、専門技術者283人

ウィキ情報ではもうすこし詳しい内訳があります。
◎中国共産党19回代表大会代表者リスト
https://goo.gl/PTyBxn


それとの直接の比較にはなりませんが、習指導部の5年間で海外逃亡の共産党員や政府職員の容疑者のうち3339人を逮捕し、回収した被害総額93.6億元(約1300億円くらい?)という政府の公式報道。

◎海外逃亡後に逮捕された経済犯3339人、回収した被害総額93.6億元(2017/10/4)
http://politics.people.com.cn/n1/2017/1004/c1001-29572352.html

↑のリンク先の図をざっと訳すと、

「海外逃亡後に出頭・摘発された3339人の共産党員・政府職員のうち公務員は628人、回収した被害総額93.6億元。重要指名手配100人リスト(百名紅通)のうちすでに46名が出頭。さらに946人の追及者リストがあり、その内訳は汚職容疑365人、行方不明581人。」

習指導部が5年のあいだに進めてきた反腐敗は、ライバル落としだという見方もありますが、それほど党が深刻な腐敗の危機にあるという危機感の表れの表現でもあります。中国は深刻な監視・密告社会であることは知られていますが、支配階層同士のあいだでも監視・密告が行われています。しかし決めるのはすべて権力を持った指導部であり、その権力はいまでも人民の負託をうけているのかは大いに疑問です。

中国共産党は「陳情民主主義」という手法を民衆支配に取り入れています。庶民が政府の陳情部門に陳情・密告して、問題を解決するというこのですが、その情報は、権力者のライバル追い落としにも使われています。

7月に発表された腐敗を取り締まる党の中央規律委員会の公報によると、監察機関は2017年上半期に全国で131.9万件の陳情(密告)を受け付け、52.1万件を問題案件としてとりあげ、11万件について書簡や問い合わせを行い、25.6万件を立件し、21万人を処分(うち党処分17.6万人)しています。省や中央政府レベル幹部38人、庁局級幹部1000余人、県処幹部8400人、郷科級3.1万人、基層幹部3.9万人、農村や企業など職員12.9万人です。

◎2017年上半期観察部全国審査状況(2017/7/20)
http://fanfu.people.com.cn/n1/2017/0720/c64371-29418642.html

中国の陳情と共産党がそれをどのように活用しているのかについては、たしか佐藤千歳さんの『インターネットと中国共産党』の「第六章 人民とは誰のことか」の「群衆工作部」というところに、分かりやすく紹介されていた気がします。

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