
紹介した手前、横浜美術館コレクション展2016年度第3期に行ってきた。
篠山紀信展(1500円)もやっていたが、そっちにはあんまり関心がないのでコレクション展だけ(500円)。
東京新聞の記事の感じだと、キャパの撮った例の写真が入り口あたりにドーンとあって、という感じかなと思ったのですが、探せど探せどその写真はなく。
展示されているのも少しだけかな、とおもったのですが、そうでもなく結構時間をかけて観られる内容だったのにびっくり。大量の写真の中にキャパの写真もあったのですが、どれも東京の街並みをとったものばかり。おかしいなぁ、とおもいながら、後ろを振り返ると、何やら見覚えのあるような無いような写真が。
樹木に鎖で体をしばりつけて抗議する農婦の白黒写真や、放水を受けて飛び上がるヘルメット姿の若者の写真や機動隊の前で座り込む老人など。
説明には「浜口タカシ、『成田闘争』より」とある。ふと他に目をやるとスローガンが書かれた安田講堂や全共闘本部の部屋など。これも浜口タカシさんの作品。
展示されていた浜口さんの作品をざっと挙げると、
「原潜が来た日」1966年
「アメリカ原潜スヌックが横須賀基地へ」1966年
「安田講堂前に集まった8500人の武装学生」1968年
「13時28分26秒全共闘本部の部屋」1969年
「東大安田講堂に機動隊導入」1969年
「横井庄一さん出迎え、羽田空港」1972年
「小野田寛郎さんルバング島から帰還」1974年
「身体に鎖を巻き付け必死に抵抗」1971年
「成田三里塚」1966年
「支援学生らと機動隊が激しく衝突」1977年
「反対して座り込む老人」1977年
「佐藤首相と沖縄県民代表」1971年
「沖縄コザ市のバーにて」1972年
「嘉手納基地を背に働く農婦」1972年
「沖縄復帰、円とドルの交換」1972年
ヨコスカ、全共闘、成田闘争、沖縄返還と、その時代の闘争の一コマが展示されている。
沖縄といえば、展示の最後の方には「沖縄ソウル フィリピン人ダンサー」と題した一連の写真。
沖縄在住の写真家、石川真生さんの作品。88年から89年にかけて撮られた沖縄で働くフィリピン人ダンサーたちの表情。
宿舎だろうか、彼女たちの「日常」の一コマが展示されている。
展示は、もちろんこのような「社会派」(?)の写真はほんの一部で、俳優や昭和の街並みをとったモノクロ写真のほうが圧倒的に多いのだが、ぼくには写真の良さがわからないので、コメントはパス。
2月28日までの展示で、24日(金)は18:30~20:00まで石川真生さんのトークもあるようだ。まだ見ていない方はぜひ。
◎横浜美術館コレクション展2016年度第3期
http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20170104-480.html
結局、コレクション展の第1から第3展示室までみたが、目当ての写真は見つからず。おかしいなぁ、と思ったら「順路」とは書かれていないちょっと離れたところに「写真展示室」の案内が。もしや、とおもってそちらを除いてみたら雑誌ライフの写真が大量に展示されており、そのなかの一枚として、あまり目立たない感じで展示されていた。
東京新聞の記者さん、よくこれを紹介記事のメインにもってきたなぁ、と感心した。
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