パナマ文書(3):もうたくさんだ! 「租税回避は違法ではない」

「タックスヘイブンを通じた租税回避はよくあることで合法だ」
「タックスヘイブンの利用自体は必ずしも問題ではない」
「多国籍業の節税行動には一定の経済合理性がある」

もういい加減にしてほしい。

パナマ文書の一部が公表されてからの日本では政府関係者、研究者、報道などがいっせいにはやし立てる呪文のことだ。

日経新聞では昨日(4月21日)と今日(4月22日)の朝刊で、それぞれ一面全部を使った特集記事や解説記事が掲載されているが、この呪文が氾濫している。

大企業や富裕層の危機感の裏返しともいえる。

富裕層の資産運用には情報交換にかんする国際的枠組みが整えられ、多国籍企業の租税回避ついては「各国間の税収配分や企業間の競争条件にゆがみをもたらす可能性がある」(渡辺智之、2016/4/22日経)ことへの対応としてのBEPSプロジェクトが日本政府(財務省)主導で国際的な枠組みがすすめられている。

しかしその大前提は冒頭にのべた「タックスヘイブンを通じた租税回避はよくあることで合法だ」(浅川雅嗣財務官、2016/4/21日経)という考えである。

この主張は、この問題を政治家や富裕層の道徳的問題としてのみとらえる考えと親和的だ。

「パナマ文書が投げかけた最初の問題は政治家の倫理だ。近年は税逃れ対策がサミットのテーマだっただけに、世間の失望や怒りは大きくなった。所得隠しの脱税や資金洗浄はもちろん許されない」(上杉素直、2016/4/21日経)

「タックスヘイブンの利用は違法ではないが、公正さや常識的な感覚に反する」(ビル・マージャー、2016/4/21日経)

+ + + + +

資本家にとって「タックスヘイブンは合法」+「道徳的問題」の解答はつぎのようになる。

「節税ビジネスは今後も広がる可能性もある」(橘玲、2016/4/21日経)

「米国で法人税改革がおこるだろう。米企業が国外に利益を持ち出すことを防ぐため法人税率を低くするはずだ。米国の政治家は減税に向けて動く必要がある。」(クリフ・カプチャン、2016/4/21日経)

道徳も倫理もあったものではない。

サミット参加国の資本家代表たちは昨日「ビジネス版サミット」を開き、夜には首相公邸で夕食会に参加した。道理で昨日は蠅がたくさん飛んでいたわけだ。

怒れ!怒れ!

◎資料
G7関係国経済団体代表による提言書手交(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201604/21g7.html
B7東京サミット共同提言(経団連)
http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/032.html

20160421b7.jpg
首相官邸ホームページ(当該ページのURL)より
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Comment

租税回避は合法ではない

タックスヘイブン(租税回避)は合法ではない。完全に違法だ。

2017/09/03 (Sun) 14:56 | 林家こん平糖 #i8Qtrhdo | URL | Edit

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