「反対だけでは意味がない」 仲井真・前沖縄県知事インタビュー(その1)



今日(2015年10月31日)の日経新聞朝刊の2面に、「反対だけでは意味がない」という大きな見出しで仲井真弘多・前沖縄県知事へのインタビューが掲載されている。

「反対だけでは意味がない」,、全くその通りだ。

辺野古のシュワブゲート前で新基地建設を止めようと早朝から座り込んでいる名護をはじめ沖縄、全国の人々の思いも同じだ。「反対」でなはなく、「絶対反対」なのだ。

すっとぼけたインタビューを演出する仲井真前知事と資本家新聞の内容をコメントをつけて紹介する。ぜひ図書館などで、この酷いインタビュー全文を読んで欲しい。

+ + + + +

(日経)代執行など政府のやり方は強引だとの批判がある。

(仲井真)「政府は20年間抱えている懸案だ。普天間基地の危険を取り除くために必要なことはやるべきではないか。現実的なものに手をつけず、反対だと言い続けるのはナンセンス。」

コメント:普天間の危険を除去するために、沖縄は普天間の即時閉鎖を訴えている。つまり必要なことをやっていないのは政府のほうだ。責任を翁長雄志・現沖縄県知事に転化するほうがナンセンスだ。辺野古は「移設」ではなく、最新鋭の基地を新たに建設するということだ。それに絶対反対することは当然のことだ。

(日経)翁長氏は一歩も引かない。

(仲井真)「ただ反対するのは市民運動ですよ。知事が市民運動のリーダーシップをとるのは行政の責任放棄と同じ。」

コメント:市民運動、県民の世論が議会や行政のリーダーシップを取っていることが、選挙に負けてもまだ分かってないのか。このような古い行政感覚は新しい民主主義の社会においては葬り去られるべきだろう。

(日経)仲井真さんも2010年知事選では普天間基地の県外移設を訴えていた。

(仲井真)「県民からみて最も望ましいのは県外移設だ。私もずっと追求してきた。しかし現実性が高く、最も早く普天間の危険性を除けるのはやはり辺野古だ。米軍が絡む事件・事故を限りなくゼロにする。日米地位協定を変えていく。こういうことをしっかりやってもらえば、県内も落ち着いてくるとおもう。」

コメント:仮に仲井真の主張を一部認めるとして、ではまずやるべきことは米軍の事故事件をゼロにするために地位協定を変えることだろう。そうして県内が落ち着いてから進める、というのが行政や政府のやることなのでは?

もちろん政府はそんなことをやろうとしていないし、米軍にしてもそうだ。

浦島悦子さんの新著『みるく世や やがて』は、県知事時代の仲井真の裏切りを克明に記録した好著。そのなかで県民の意志を裏切って辺野古埋め立てを受け入れた2013年12月末にこう記している。

「(仲井真)知事が要望した『普天間基地の五年以内の運用停止・早期返還、オスプレイ12機を県外拠点に配備、地位協定改定』等々への回答は、いずれも『努力する』『全力で取り組む』というだけの担保のない口約束であり、米国の姿勢(地位協定の改定には応じないと明言したばかりだ)からも、それらが実現する可能性はほとんどないことを県民は知り尽くしている。」(212頁)

「空飛ぶ棺桶」と呼ばれる危険なオスプレイは2012年10月に沖縄・普天間に配備された。「危険の除去」とは真逆だ。自ら危険を強化しておきながら「危ないから辺野古に移設しましょう」などと言いながら、力づくで島ぐるみの思いをねじ伏せようとしているのが安倍政権であり、それに無自覚な日本国民(この状況を表現するのに「日本国民」という言葉がぴったりくる)がそれを支えている。

『みるく世や やがて』では、2012年10月のオスプレイ普天間配備に反対する名護市民大会の様子も記されている。

「名桜大学の与古田健吾さんは、『沖縄の県民性は温厚で恥ずかしがり屋と言われるが、思っているだけではなく、しっかり言える環境が必要だ。オスプレイは戦地に兵士や武器・弾薬庫を運ぶ。守礼の邦・沖縄が人殺しをやっていのか?(会場から『ダメー!』と声が上がる) 人殺しの手伝いはしたくないと、もっと声を上げよう。悔しさをバネにして、みんなが幸せになれる沖縄を作っていこう!』と呼びかけ、大きな拍手を浴びた」(135頁)

コメントが長くなってしまった。市民運動を軽視する仲井真は、この市民運動の盛り上がりのなかで敗北した。『みるく世や やがて』ではその経過が時系列的に詳しく描かれている。ぜひ買って読んで欲しい。

仲井真と日経新聞のすっとぼけたインタビューの後半は、翁長批判に重点が置かれるが、すっとぼけ感も倍増している。

(つづく)
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する