
attac首都圏の会員MLに9月25日に投稿したメールです。
===============
[attac_ml:5509] 新著案内 『ギリシア デフォルト宣言』
2015/9/25, Fri 21:10
今日(9月25日)、書店に寄ったらこんな本が発売されていました。
『ギリシア デフォルト宣言 ユーロ圏の危機と緊縮財政』
ハイナー・フラスベック&コスタス・ラパヴィツァス著
村澤真保呂&森元斎 訳
河井出書房、1400円、2015年9月20日発売
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309247298/
著者の一人、ラパヴィツァスはギリシャ人の経済学者で、2015年1月の選挙でシリザの国会議員になった人物。
ギリシャ債務の問題を運動の側から撮ったドキュメント『Debtocracy』でも、ギリシャ債務の問題点を告発しています。
Debtocracy(字幕あり)
https://www.youtube.com/watch?v=mHDsgUnSzts
先日の選挙ではシリザを離れたのかどうか分かりませんけど。
もうひとりはドイツの経済学者ですが、アンクタッドなどでチーフエコノミストなので、スティグリッツに近いような感じの方でしょうか。よく分かりませんが。
そして、あとがきは、なんと『もうひとつの道はある』の著者の一人でスペイン統一左翼の国会議員アルベルト・ガルソン・エスピノサが書いています。
訳者あとがきによると、原書は、2015年1月に電子版で出版されたそうです。シリザだ政権奪取に向けて高揚しているときですね。
内容は、ギリシャ危機にユーロ通貨同盟やドイツが果たした役割が中心のようです。また最後にギリシャ債務についても触れています。
目次をざっとみると、こんな感じです。
==============
『ギリシア デフォルト宣言 ユーロ圏の危機と緊縮財政』
ハイナー・フラスベック&コスタス・ラパヴィツァス著
村澤真保呂&森元斎 訳
河井出書房、1400円、2015年9月20日発売
目次
緒言 オスカー・ラフォンテーヌ
序文 ポール・メーソン
第1章 欧州通貨同盟(EMU)の深刻な危機
第2章 欧州通貨同盟の理論的根拠
1、欧州通貨協力について
2、欧州通貨同盟の中心原則
3、賃金柔軟性がもたらすもの
4、実質賃金の成長が国内需要を決める
5、通貨同盟における富める国と貧しい国の関係
第3章 ドイツ--ユーロ圏危機の原因
1、ドイツの賃金抑制政策
2、EMU加盟国間の競争力の格差拡大
3、国家間競争?
4、ドイツの成功と失敗
5、ドイツこそが変わらなければならない
第4章 EMUにおけるストック/フローとその問題点
1、ストックではなくフローこそが問題だ
2、デフレは競争力の適正化を脅かす
3、財政赤字とドイツ国内の金融フロー
第5章 ヨーロッパは対外不均衡を解決できない
1、EUの「マクロ経済不均衡是正手続き」とその歪んだ適用
2、対外不均衡の回避政策とそのグローバルな失敗
3、主流派の理論は貿易不均衡を説明できない
4、新自由主義経済学の貯蓄理論の誤り
第6章 破綻に向かう欧州通貨同盟
1、ヨーロッパ通貨同盟の分裂の兆し
2、政治統合と財政同盟はEMUの問題を解決しない
第7章 左派は何をすべきか--EMU離脱とEUとの対決
1、左派の対応における混乱
2、左派政権と「3つの不可能な事柄」
3、EUとの対決--左派政権の目標と戦略
第8章 欧州通貨同盟から離脱するために
第9章 欧州通貨同盟を解体する
第10章 ギリシア危機
1、経済的・社会的な危機--失われる成長可能性
2、貧困、そして悲惨な未来
第11章 ギリシアの新たな道--デフォルト宣言に向けて
1、完全な債務帳消し
2、緊縮財政の破綻--財政黒字と均衡予算よりも重要なこと
3、銀行システム--銀行の国有化
4、危機の脱出と労働市場の改善
5、中期的な生産部門の再編
6、民主主義の徹底と国家の変革
第12章 ギリシアとヨーロッパの希望
あとがき ヨーロッパの好機 アルベルト・ガルソン・エスピノサ
訳者あとがき 村澤真保呂
スポンサーサイト