ユニクロと戦争法案(グローバルな搾取とグローバルな戦争)



首都圏の会員MLに投稿したものです。

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[attac_ml:5328] グローバルな搾取とグローバルな戦争
2015/7/15, Wed

こんにちは。会員のIです。

今日は暑い中、そして戦争法案が委員会で審議・可決されるという大変な時間の中、ユニクロ・アクションに参加しました。ユニクロよりも戦争法案反対だろ、と思いつつも、両者は無関係ではないなぁと思っています。

なぜ自衛隊が海外にいくのか。一つにはアメリカの要請があります。アメリカはなぜ要請するのか。それはアメリカの総資本が海外にもっている権益を軍事力で守るためです。では日本はまったくアメリカのポチなのか、というと決してそうではありません。

国民国家の確立以来、「自衛のための戦争」という大嘘で侵略戦争が行われてきました。あるいは主観的には「自衛」なのかもしれませんが、「満蒙は日本の生命線」で分かるように、もともと人の土地を侵略して奪った権益を守ることが「自衛」と言えないことは、現在では常識です。

日本も海外にたくさんの権益を持っています。海外の権益とは何かといえば、海外の人と自然資源を搾取するという権益ということ。たとえば大正デモクラシーの先駆けとなった1905年の日比谷焼打ち事件では、朝鮮侵略の権益という戦後賠償権を放棄したことに対する反動的な帝国主義的国民意識がその原動力となりました。「内には立憲主義、外には帝国主義」と言われた所以です。しかし朝鮮の人からすれば、日比谷を焼打ちした日本人が叫んだ「国益」とは、植民地化とイコールでした。

現代では、このようなあからさまな「海外権益」はありません。それは戦後の日本が、アメリカ帝国主義というアジア侵略(沖縄占領、朝鮮戦争、ベトナム戦争)と核の傘のもとでの資本蓄積に限定されつつも専念することができたからです。しかしそのような戦後構造は、ソ連東欧圏の崩壊と中国のグローバル資本主義市場への合流によって大きく変わりました。

日本資本主義の国益もグローバル化し、外国で人間と自然環境から搾取するという「海外の権益」が拡大しました。2013年のアルジェリア人質事件やジプチにおける自衛隊基地の拡大はその典型でしょう()。ゴラン高原、イラク、インド洋沖、そしてジプチでの実戦的経験は自衛隊にとっても貴重な訓練になっているでしょう。

そこでユニクロ。

ユニクロは製品の70%を中国で生産しています。では、その「権益」を守るために軍事力を派遣するのか、というとそんなことはない。中国はあまりに広すぎて人が沢山いすぎることから、外国企業が中国企業と一緒になって中国人を搾取することが可能でした。またそもそも中国政府の方針として、各種基幹産業において、2001年のWTO加盟に象徴されるように、グローバルな市場経済に積極的に参加し、かつ海外の先進的企業から技術や企業統治の方法を学ぶことが優先されたことから、外資優遇政策がとられてきました。

しかし、外資優遇政策も長くは続きません。ひとつには資本主義市場経済なので利潤率は下がり、企業間(内外間の、内内間の)競争に余裕がなくなってきたこと、もうひとつは外資から学ぶこともそろそろなくなってきたということです。

つまり今後は競争がますます激しくなり、労働者に対する搾取がより過酷なものになっていくということです。中国の委託企業が造るのは何もユニクロでなくてもいいのですから。そうならないためにもユニクロは中国国内をはじめ世界での展開にも力を入れているのです。ですがもし何らかの理由で、ユニクロが中国市場から人為的に追い出されることがあった場合(いまのところ経済的理由以外にあまりそんなことは考えられませんが)、その時には「国益を守れ」となるでしょうか?ユニクロが「国益」? どう考えても資本家の利益としか考えられません。もちろんそこで働く人たちの権利はありますが、それは国益ではなく労働者の利益なのだろうと思います。

集団的自衛権に関して、アメリカのために命捨てるのかよ、と思いながらも、それが日本国の利益だと政府から言われたら、おそらく多くの自衛官が真面目に「国益を守る」「この国を守る」と答えるしかないでしょう。しかし誰の国の、誰の利益なのかを考える必要があるでしょう。さきほども書いたようにそれはアメリカ資本の利益であり、また日本の総資本の利益でもあるのです。

日本は資本主義の国ですから、その国益は資本家の利益なのです。そして日本の総資本は、戦争ができる国をつくることで国益を守ることにしたのです。しかし資本主義ですから労働者がいないと何もできません。武器を作るのも、物資を運ぶのも、情報を管理するのも、労働者がいなくてはなにもできません。

しかしこの国の労働者のもっとも悲惨な最期のケースとして先日の新幹線での焼身自殺がありました。多くの労働者が自殺したり、殺し合っているのもまたこの国の現実。労働が賃労働である限りその悲劇は終わらないでしょう。どのような民主主義を目指すのか、どのような社会を目指すのか。資本がグローバルに展開する現代において、そしてそれは一国で可能なのか。

ユニクロアクションの国際ウェブ署名には現時点で香港、台湾、中国、日本、アメリカなどから255もの団体・個人賛同があつまっています。国境を越えた労働者の連帯は、国境を越えた社会の在り方を考えるひとつの材料を提供すると思います。

ウェブ署名ページ

グローバルな戦争とグローバルな搾取をなくす社会を考えた暑い銀座の一コマでした。

今日と明日はいよいよ戦争法案国会(前半)の山場。戦争も搾取もない社会を目指す「もうひとつの声」を沢山の人たちとともにあげましょう。

2015年7月15日
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