「ジミー 野を駆ける伝説」(ケン・ローチ監督)おすすめです!

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一か月以上前に会員ML等に投稿したメールですが、明日(4/18)から1週間だけ下高井戸シネマで上映するということなので、UPしておきます。お見逃しなく!

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> Date: 2015/3/2, Mon
> Subject: [attac_ml:4931] 「ジミー 野を駆ける伝説」(ケン・ローチ監督)おすすめです!

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> こんにちは。会員のいながきです。
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> 東京ではすでに上映が終わってしまった『ジミー 野を駆ける伝説』、横浜のジャック&ベティで観てきました。ケン・ローチの映画です。
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> もっと早く観るべきでした。
> あと何回か観たい。
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> あらすじは「ジミー ケン・ローチ」などでググればたくさん出てくるので省略。ジミーは実在の人物で共産主義者です。
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> 1920年代初めの独立戦争時期と、独立戦争→内戦を経て一定の自治を実現して共和派の一部が政権に復帰した1932年のアイルランドが舞台です。
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> ケン・ローチの『麦の穂を揺らす風』が独立戦争/内戦期におけるアイルランド共和派の分裂と対立を描く重苦しい内容と悲惨な結末になっていたのにくらべ、『ジミー』のほうは、もちろんその重苦しい雰囲気はありつつも、最後には非常に元気の出る結末だったのが印象的です。
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> イギリス植民地支配に抗するアイルランド人民の抵抗の内部における対立という少し難しい背景がありますが、『麦の穂』や、同じくケンローチの『大地と自由』でもベースとしてある運動にける左派と右派(および左派の仮面をかぶった右派)との対立については、ぼくにとってはよくわかる内容でした。
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> 映画では冒頭に「ピアーズ=コノリー・ホール」という地域運動の拠点となる建物が登場します。
> 主人公ジミーが、独立戦争期に地域の活動拠点として建設した集会所です。
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> ぼくはその時点で涙。
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> ピアーズおよびコノリーは、言わずと知れた1916年4月のイースター蜂起の指導者です。
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> 民族主義のアイルランド義勇軍を率いたパトリック=ピアーズ。
> 労働者を中心に結成されたアイルランド市民軍を率いたジェームズ・コノリー。
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> ジミーたちがつくった「ピアーズ=コノリー・ホール」の壁にはこの二人の肖像画がかけられました。
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> 22年の内戦および対英妥協派の指導権確立でアイルランドを追われてアメリカ・ニューヨークに亡命したジミー。ホールでの地域活動も弾圧され、ホールは廃墟になります。
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> それから10年、共和党が政権に復活したという状況もあり10年ぶりに片田舎のリートリムに帰郷。「伝説の男」が帰ってきたことを知った若者たちは封建的な教区支配に嫌気がさしていたこともあり、ジミーにホールの再建を期待しますが、また教会や封建支配勢力ににらまれることを躊躇したジミーは、最初は若者たちの訴えを拒否します。
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> その時に若者の一人が「コノリーの名前が泣いている」と非難されます。
> またここで涙。
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> ジミーは結局、ホールの再建を決意するのですが、誰も使わなくなり埃だらけになったホールの荷物から一冊の本を見つけます。「“アイルランドの労働者” ジェームズ・コノリー著」
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> ここでもまた涙。
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> 封建的支配に抗して労働者階級(劇中でジミーは「My
> Class」と言っています)と若者たちに希望を与え続けたジミーの生きざまが、ケンローチのカメラを通して見事に描かれています。ちょっとかっこよすぎる気もしましたが、コノリーに免じて許す!
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> この映画には、いくつかの名シーンがありますが、感銘を受けたのが、領主・地主から追い出された農民家族らの家を取り戻す大衆的行動の際にジミーが行った演説。一字一句は覚えていませんが、こんな感じ。
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> 「アイルランド国民は一つだというが、本当にそうか。いま通ってきた領主の居城と、この農民らの貧相な住宅は同じなのか。地主と貧農は同じなのか。資本家と労働者はひとつなのか。まったくそうではない。いま世界ではやつらの強欲によってつくられたバブルが崩壊し金融危機に覆いつくされている。労働者と農民はいつまでもたんに生きるためだけではなく意味のある人生を送るべきだ。自由な人間になろう!」
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> もちろんここでも涙。
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> 1916年4月8日、イースター蜂起を控えたコノリーは「アイルランド民族の旗」という文章でこう叫んでいます。
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> 「私たちはアイルランド人のためのアイルランドにしようと努力している。しかしアイルランド人とは誰か。不当な地代をとり、貧民窟を所有している地主ではない。汗をかきかき利益をむさぼり取っている資本家ではない。物腰が柔らかで、弁舌のなめらかな法律家ではない。売春婦(原文ママ)のような新聞屋--彼らは敵に雇われた嘘つきである--ではない。これらはアイルランドの未来が話せる連中ではない。これらの連中ではなく、自由な民族を樹立することのできる唯一の基盤は、アイルランドの労働者階級である。労働者の問題はアイルランドの問題であり、アイルランドの問題は労働者の問題である。」(『アイルランド・ナショナリズムと社会主義』127頁)
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> この約10日後にイースター蜂起に決起したコノリーに対して、欧米の社会主義者たちからは「民族主義に屈服したコノリー」という批判が投げかけられます。その批判の根底には、アイルランドの運動はイギリス本国の労働運動や社会主義運動に従属すべし、という帝国主義本国の労働運動の「本音」がみてとれます。この「本音」は、各国の社会主義インターナショナリズムを、結局は自国帝国主義による戦争(第一次世界大戦)遂行の擁護という流れに導いたものと同じです。
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> コノリーはこれに敢然と反対しました。そしてコノリーのイースター蜂起を断固擁護したのは、植民地における民族主義運動と社会主義派の任務を明確に認識していたレーニンだけだっと言います。(「1916年のアイルランドの反乱」)
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> 映画の最後のシーンもよかった。ジミーと若者たちの笑顔が救いです。
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> 長くなりましたが、絶対に観るべき映画だとおもいました。
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> ジャック&ベティでは3月6日まで毎日14:50から上映してます。
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> 「ジミー 野を駆ける伝説」公式サイト
> http://www.jimmy-densetsu.jp/

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> Date: 2015/3/3, Tue
> Subject: [attac_ml:4938] Re:Re: 「ジミー 野を駆ける伝説」(ケン・ローチ監督)おすすめです!

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> Oさん、みなさん
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> こんにちは。いながきです。
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> 下記のリンク先の文章拝見しました。
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> 「列強」という言葉に納得。
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> もう一つ別のリンク先の文章も拝見しました。
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> 「日本は有志連合に参加している」
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> それも納得しました。ぼくも日本政府はすでに「テロとの戦争」という戦争状態にあると思っています。
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> 戦時下では個別の国民命や財産よりも支配階級の国益を重視するのが政府だと思いますので、安倍首相のスタンスはこの国の支配階級にとっては当然のことだろうと思います。
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> いま国会では企業献金が問題になっています。「違法でない」と強弁していますが、自分たちにとって都合のいい法律を作っているのですから、当たり前ですね。
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> 戦争をすすめる資本家政府に対する大きな反撃が必要だと思います。
>
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> ジェームズ・コノリーは第一次世界大戦の勃発に当たってこう書いています。
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> 「もしヨーロッパの労働者階級が、国王や資本家の利益のために互いに殺しあうのでなく、明日にでもヨーロッパ中にバリケードを築き、橋を壊し、交通網の破壊に取りかかり、それで戦争が廃絶されるのであれば、私たちがこの輝かしい範例に従って、世界を支配し強奪する強欲な階級を最終的に妥当するため、私たちの力を貸すことは、文句なく正当化されるはずである。しかしこれらが達成されるまでは、この戦争の恐怖から貧しき者を救うために、できるだけの行動を起こすことが私たちの明らかな義務である。」(ジェームズ・コノリー、1914年8月8日、「この危機におけるわれわれの義務」)
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> 「この戦争の恐怖から貧しき者を救うために、できるだけの行動を起こす」
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> 日本政府の戦争政策に抗して、沖縄の人たちががんばっています。

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> Date: 2015/3/5, Thu 19:58
> Subject: [freedomcharter:0538] Re:映画「ジミー 野を駆ける伝説」(ケン・ローチ監督)はジャック&ベティで3月6日まで

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> こんにちは。東京のいながきです。
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> ごめんなさい!「ジミー」余談です。これで終わりにします。
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> 明日でとりあえずの上映が終わってしまう「ジミー、野に駆ける伝説」ですが、先日のメールで紹介したジミーの演説ですが、公式facebookサイトにその一部が掲載されていましたので紹介します。
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> 彼らが押しつける最大の嘘はこれだ。
> “アイルランドは1つ挙国一致”。“共通の利益と信仰で国民は結び合わされてる”。
> だが貧しい子の利益が横暴な地主の利益と同じか?
> 労働者と伯爵の利益は共通か?
> 鉱山や工場労働者の利益と、銀行家や弁護士や投資家の利益は?
> 平気で嘘を書く太鼓持ちの記者は?
> 彼らは少しでも、関心を向けているか?
> 病人や失業者 貧しい人々に。職を求めて国を離れる者たちに。
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> ・・・・・・
>
> 1920年代のニューヨークでは、投資熱と拝金主義に人々は冒されてた。
> だがバブルは弾けた。29年の大恐慌で、豊かな国は凋落した。
> これを忘れないでおこう。原因は、幻想と搾取。強欲に染まったシステムだ。
> 運命や神の業だと言う者もいるが違う。
> 人が招いたことだ。
> 人生を見つめ直す必要がある。欲を捨て誠実に働こう。
> ただ生存するためでなく、喜びのために生きよう。
> 踊って歌うために。自由な人間として!
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>
> この演説、先のメールで紹介したジェームズ・コノリーの発言を髣髴とさせるものであり、またサブプライム危機が直撃したアイルランドの状況を意識した内容だなぁと思った次第です。
>
> 公式facebook
> https://www.facebook.com/JimmyDensetsu
>
> 横浜や新百合ヶ丘などでの上映は3月6日までですが、4月からは下高井戸でも上映予定のようです。またその時に見に行こうかと思います。そのほか全国でも順次上映のようです。
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> 1916年4月のイースター蜂起に対して「盲動」などと非難する声に対して、植民地における民族革命と社会主義者の任務を有機的に結合させたレーニンが、イースター蜂起を敢然と擁護したことは有名で、大月書店『レーニン全集』22巻に収録されている「自決に関する討論の総括」の「1916年のアイルランド蜂起」などは比較的容易に入手できると思いますので、ここでは同じくイースター蜂起の意義について述べた同時代人のトロツキーの論評を紹介します。
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> 「反乱軍(コノリーらの蜂起軍を指す:引用者)に対する純粋に軍事的な処置ということでは、政府は比較的容易に状況を抑えることができた。空想的ナショナリストが期待していたような全アイルランドの運動は実現できなかった。アイルランドの地方勢力は立ち上がらなかった。アイルランドのブルジョアジーも、そしてまた同様にアイルランドの上層インテリの影響力の強い階層も超然としていた。戦って死んだのは、プティ・ブルジョアのインテリ出身の革命的情熱家が道連れにしたタブリンの労働者たちだけだった。民族革命の基盤は遅れたアイルランドでさえすでに消滅していた。……民族蜂起の英雄的伝統のしみ込んだ、イギリスの利己的で偏狭な帝国主値の横柄な併合政策と衝突する状況の中で登場したアイルランドの若い労働者階級は、サンジカリズムとナショナリズムとの間を揺れ動いてきた。彼らはいつもこの二つの思想を結合しようとしていた。これが若いインテリや革命的情熱家を引き付けたのだった。彼らによって労働者階級の運動の中で赤旗に対する緑の旗の優位を確立できたのだった。こうしてアイルランドにおける『民族革命』が現実に労働者の反乱にまで発展し
> たのである。……アイルランド民族蜂起の経験は終わった。……しかしアイルランドのプロレタリアートの歴史的役割は始まったばかりである。古風な旗の下であったが、それは軍国主義と帝国主義に対する階級の怒りを、すでにこの反乱に持ち込んだのだった。この怒りはまだ静まっていない。」(『アイルランド史 民族と階級(下)』P・ベアレスフォード・エリス著、論創社、105~106頁)
>
> 英語全文はこちら
> https://www.marxists.org/archive/trotsky/1916/07/dublin.htm
>
> 「アイルランドのプロレタリアートの歴史的役割は始まったばかりである。古風な旗の下であったが、それは軍国主義と帝国主義に対する階級の怒りを、すでにこの反乱に持ち込んだのだった。この怒りはまだ静まっていない。」
>
> コノリーらのイースター蜂起から5年後と16年後を描いたケンローチの映画「ジミー、野を駆ける伝説」では、アイルランドのプロレタリアートによる始まったばかりの歴史的役割と静まっていない怒りが、生き生きと描かれています。
>
> (おまけ)
>
> それと、ここ最近、NHKで放映されてきた「ダウントン・アビー」は、1900年代初めのイギリス伯爵家とその使用人たちを描いたドラマですが、3月8日(日)から始まるシーズン3は、1920年の設定で、アイルランド出身の労働者階級出身の青年(NHKのサイトでは「庶民出身」と書かれていますが…)がキーパーソンの一人になるようです。つまりジミーがピアーズ=コノリー・ホールをつくって文化活動や共和国裁判所などで元気に活動していた時期です。
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> こちらにも注目です、かね?
> http://www9.nhk.or.jp/kaigai/downton3/index.html

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