中国の前最高幹部が汚職容疑で追及

昨日掲載した「紹介:転機の紅いメジャー(日経新聞) 」に関連して、一か月ほど前に、この問題について書いたものがあるので、参考までに紹介しておきます。私的なメールなので品がないのはご容赦。

==========

中国の前最高幹部が汚職容疑で追及
2014/7/30, Wed 15:35


今朝の各紙では、中国共産党の周永康・前政治局常務委員が「重大な規律違反があった」として党査問機関による取調べを開始したという記事がならんでいます。

メディアでは、1949年の新中国建国後、政治局常務委員経験者が汚職容疑で追及されるのは初めて、とか騒いでいます。当の習近平指導部とその太鼓持ちたちは「大トラでも子バエでも腐敗分子は許さない」と豪語し、秋に開催予定の4中全会では法治国家推進を議論すると発表しています。

しかし、すくなくとも新中国以降、毛沢東時代には、劉少奇(国家主席)、林彪(元帥)、トウ小平(総書記)という党や国家のトップ中のトップが失脚していますし、トウ小平時代にも華国鋒(国家主席)、胡耀邦(首相)、趙紫陽(総書記)などが失脚していますので、なにを自画自賛してるのか、とも思うのですが。

昨日の報道では、たしか中国の上位1%の富裕層が全国の3割の財産を保有しているという報道があったばかりです。たかまる貧富の格差、民族問題(新疆ウィグルのカシュガルで数十名の住民が警察署などを襲撃し、数十人が射殺された、というすごい報道も流れています)など、離反する民衆の信望をつなぎとめるための反腐敗であるとともに、党官僚自身の離反を反腐敗キャンペーンでつなぎとめようとするものではないかとおもいます。

もうひとつ気になるのが、国有企業の更なる改革に向けての動きと周摘発との関係です。

周は、64年に入党しその後90年代いっぱいまで国の石油畑を歩み、2002年に中央政治局員に大抜擢され公安部門を統括し、2007年から12年までの現役最後の5年間は最高指導部である政治局常務委員9人の一人でした。

いろいろと黒いウワサが流れていますが、彼の経歴をみると、80年代から90年代にかけての国有企業民営化、国有石油グループのグローバル化という、党の任務に忠実に従ってきたといえます。もちろん一党独裁と資本主義化するなかで「党の任務に忠実」であることと黒いウワサにまみれることは矛盾しないどころか、そうなって当然。

周にしてみれば「何で俺だけ?」という思いもあるのでは。あるいは現指導部が、周一人の犠牲で民衆の党に対する信頼をつなぎとめることができる、と考えていてもおかしくない。

そして、最近では国有企業を所管する国の機関が、国有企業の混合所有制の試験的改革を進めるとの発表。昨年の3中全会では、今後の大きな改革の方針を示し、その過程で更なる官僚内部の対立・離反などが予想されることから、中央に逆らうものは絶対に許さないという意思を示す必要があったのだと思います。

習近平をふくめ現在の7人の最高指導部にしろ、200人近くの中央委員にしろ、誰一人としてカリスマや強権をふるえる人物はいません。みんなおなじ党官僚。だれが総書記・国家主席になってもおかしくはない状況なのです。だから闘争はより熾烈、陰険になるのです。

========================

Re:中国の前最高幹部が汚職容疑で追及
2014/8/1, Fri 10:17


日経新聞では昨日(7月31日)と今日(8月1日)の二回にわたって「周永康ショック」という特集記事を掲載しています。しかしそのなかで唯一参考になったのは、7月31日の記事の中の「党の権威に挑戦する『危険分子』を放置するの方がマシだというのか」と声を荒げた、とかいう習近平の発言内容のみ。それ以外は本当にクズ記事でした。

特に今日の記事はカスもカス。習近平ら「太子党」は摘発されないと党内から不満、という記事。薄煕来は太子党も太子党のはずだけど・・・。

記事の内容は、今回、摘発された周永康は、江沢民が自分の手下として後継の胡錦涛指導部に周をねじ込んだ、胡は自分の出身母体の共青団閥を次期指導部にねじ込みたい、胡錦涛の後継の習近平は、江-周ら長老政治の影響を排除するために今回の措置に訴えた、江と胡は不仲だが二世代の長老が組めば習をけん制できる・・・。

というかんじで、江沢民派(国有・石油)、胡錦涛派(共青団)、習近平(太子党)という三つどもえ、というアホな分析スタイル。ほんとうにアホです。そして最後には「江・胡両氏は不仲とされるが、長年、君臨した両長老が組めば習氏を抑え込む力は残っている。両氏はどう動くのか。無数の目が北戴河[夏の長老と最高幹部の会議]を凝視している。」とむすんでいます。

13億の人口を支配する8600万の党員を抱える一党独裁の党ですから、当然、一枚岩などではなく、内部に無数の派閥があることは当然であり、これらが対立や妥協を繰り返しながら支配体制を維持することもまた当然です。しかし、今回の粛清を含むここ一年ほどの党内粛清劇の根本的理由は、「党の権威に挑戦する『危険分子』を放置する」ことは絶対に許さない、という一党独裁体制の維持のための党指導部総体としての意思であり、そこには江沢民、胡錦濤らも当然含まれています。

ですので、党内権力闘争を、「三つ巴の対立」から分析するのはほとんど無意味であり、むしろ中国の政治経済の階級的構造がもたらすひずみを、一党独裁とグローバル資本主義への合流を維持しつつ、そのひずみを修正ようとする党中央の苦肉の策から必然的に発生する「権力」闘争だと考えるほうがよいと思うのです。

しかし、本当に権力を巡って(国際主義的に)闘争すべき主体は、抑圧された労働者農民だと思います。

スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する