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[attac_ml:3245] Re:横浜でTICADを考える会結成トークセッション
2013年2月26日
表題のTICADですが、政府は早くから経済界と連携して「アフリカから盗む」動きを加速させています。
アルジェリアでの人質事件以降、単なる「盗み」から「強盗殺人」への動きも加速させているかのようです。
TICADでは、「TICAD V推進官民連携協議会」で政界、財界、政府機関などの会合が行われています。
共同座長は外務大臣(当初は玄葉→いま岸田?)と坂根正弘経団連副会長(小松製作所会長)がつとめています。
会議の参加省庁・機関は、外務省、財務省、経済産業省、JICA、JBIC、JOGMEC、JETRO、NEXI。
「民」はというと民間企業で、小松製作所、双日、味の素、伊藤忠商事、新日本製鐵、住友化学、住友商事、東芝、トヨタ自動車、豊田通商、日揮、日本工営、日本郵船、日本電気、パナソニック、日立製作所、丸紅、三井物産、三菱商事、三菱東京UFJ銀が参加しています。
これまでに三回の会合がおこなわれています。
第1回会合議事要旨(2012年8月17日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/tc5/giji_01.html
第2回会合議事要旨(2012年11月30日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/tc5/giji_02.html
第3回会合議事要旨(2013年1月30日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/tc5/giji_03.html
1月30日の第3回会合では、アルジェリアでの人質事件でなくなった日揮の「企業戦士」への追悼にはじまり、外務省が設置した「安全対策の強化のための対策チーム」及びアルジェリアの事件を受けた外交政策の3本柱(国際テロ対策の強化、サヘル・北アフリカ、中東地域の安定化支援、イスラム諸国・アラブ諸国との対話・交流の促進)について説明がなされ、「あらゆる政策ツールを用いて、安全対策を含め、日本企業のアフリカ・ビジネスにおける支援を強化していく旨述べた」ようです。
かなり露骨な内容ですー。
第3回会合ではさらに、経団連の提言書「サブサハラ・アフリカの持続可能な成長に貢献するために ~TICAD Vに向けた経済界のアフリカ戦略~」の説明がされました。
◎サブサハラ・アフリカの持続可能な成長に貢献するために(経団連2013/1/22)
全文はこちらからダウンロードできます。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/007.html
これを受けて2月15日には、経済同友会も「TICAD Vを契機に、アフリカの成長に向けた戦略的コミットメントを~実りある 日・アフリカ関係の構築に向けて~」を発表し、2月21日に外務省に提出しています。
◎TICAD Vを契機に、アフリカの成長に向けた戦略的コミットメントを(経済同友会2013/2/15)
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2012/130215a.html
・経済同友会による提言書の提出(外務省2013/2/21)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/25/2/0221_01.html
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昨年末にNHK-BSで放映されたBBCのドキュメント「アフリカ争奪戦 ~“富”を操る多国籍企業~」では、ザンビアの銅鉱山での荒稼ぎ利益をスイスに持ち去る多国籍企業の話がとりあげられていました。
・アフリカ争奪戦 ~“富”を操る多国籍企業~(NHK-BS)
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/121204.html
ザンビアはIMF世銀「構造調整計画の一環として、2000年にザンビア銅公社の民営化を実施し、その後、石油公社、商業銀行、電力、電話等他の基幹国営企業の民営化を進めてきました。
その結果、このドキュメントでも言われていたような、多国籍企業がやりたい放題の資源略奪を引き起こしました。
多国籍企業にたくさんの富をもたらすIMF世銀の「優等生」ザンビア。外務省のODA白書にはこう書かれています。
「IMF・世界銀行の指導の下で実施してきた経済財政改革努力が評価され、2005 年4 月には拡大HIPCイニシアティブの完了時点に到達し、我が国はじめ、主要な二国間ドナーや国際機関が債務免除を行い、対外債務負担が大幅に削減された」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/11_databook/pdfs/05-18.pdf
すでにいろいろなところで批判してきましたが、この拡大HIPCイニシアティブの完了点に到達するために、ザンビアは更なる民営化や規制緩和、補助金削減などを実施しなければなりませんでした。
ほとんど返済不可能な債務の一部を帳消しすることで、国際金融機関によるザンビア向け融資は再開可能となります。融資先はもちろんザンビアに進出する多国籍企業です(この構造はビルマ債務と日本の財務省や企業と同じです)。
BBCのドキュメントの原題は「Stealing Africa」(アフリカを盗む)。
NHKの日本語版は有料のオンデマンドでしか見られないようですが、youtubeでは英語版が公開されています。
http://www.youtube.com/watch?v=WNYemuiAOfU
欧米の強盗に追いつき追い越せという感のある日本の官民による「アフリカ開発」。強盗の片棒は担ぎたくないものです。
・・・と長くなりましたが、TICADにむけた取り組みにも参加・注目を!
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