消費増税は「1.09%の人々」のために

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日経新聞がここ数日、「消費増税 残された課題」と題する連載をしていました。8月17日の連載は「財政再建への信認維持」と題して、民自公の三党合意による消費増税が、国際を大量に保有する銀行など金融機関の信認を維持するものだったことを明らかにしています。

格差社会を表す言葉に「1%の豊かな人々と99%の貧しい人々」というフレーズがありますが、消費増税は「1.09%の人々」のために実施されようとしている、ということが分かります。

以下、記事の抜粋です。

「6月の三党合意後、金融市場は財政再建への期待で国債を買い、長期金利は7月下旬に過去三番目に低い0.720%まで下がった〔=信用が高まった:引用者〕。それが8月7日は一転、金利は今年最大の上げ幅を記録した〔=信用不安が高まり金利が上昇した〕。」

「とりわけ財政問題に過敏なのは銀行など金融機関だ。金融機関の保有国債残高は480兆円と5年間で100兆円増えた。日銀の試算では〔信用不安によって〕金利が1%上昇して国債価格が下がれば、大手銀だけで3.4兆円の含み損〔購入時の価格より安くなっている状態〕が発生するという。」

「貸し出し不振の大手銀行は値上がりした国債を売る『益出し』で利益を稼いできた。結果的に保有国債の簿価は高くなりなり(※注)、今では金利が1.09%を上回っただけで大手銀の保有国債に含み損が生じる」

「金利が上昇して銀行の損益分岐点である1.09%に迫れば、損失を避けるための売りが売りを呼びかねない。」

「国家債務は先進国で最悪。にもかかわらず日本国債は3つの理由で買われ、金利は低位安定した〔=銀行の含み損が回避できてきた〕。(1)貸し出し需要が弱く国債以外にマネーの行き場がなかったこと、(2)日銀の国債買い入れ、(3)「日本が財政改善に取り組む意思と能力があるという投資家の信頼」(日銀の白川方明総裁)だ」。

以上、記事の抜粋でした。

つまり、バブル崩壊の不良債権処理など公的資金の投入で生き残ったゾンビ銀行は、ずっと法人税も払わない一方で、低金利による預金者への利子支払いを最低限に抑え続けながら、低価格で低迷する保有株式を国や日銀に割高で購入してもらいながら(差額は招来の税金で賄われる)、金融緩和で流れ込んでくるマネーを生産や生活とは関係のない金融ギャンブル市場に流し込んできたわけですが、その過程で膨れ上がった保有国債の含み損を回避するために、消費増税を自らの操り人形である政党・政治家に求め続けてきた、ということです。

1%の価値すら生み出せない資本家ら1%の人々の1.09%の損益分岐点のために、価値の100%を創造する労働者から収奪するのが今回の消費増税だと思います。


(※注)

なぜ「結果的に保有国債の簿価が高くなる」のか、分からなかったのでググッて見ると分かりやすい解説がありました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q132856513

以下、やや分かりやすく加工した説明です。
気になる方はどうぞ。

例えばある銘柄を1万株(取得価格は一株1千円)持っていたとします。
簿価は1千万円です。

相場が一株2千円に上昇したので、この内半分の5千株を売りました。
売買代金1千万円が入り、簿価が5百万円減り、利益が5百万円出ました。

そしてもう一度、現在の相場である一株2千円で5千株購入しました。
この新規購入した分の簿価は2千円×5千株=1千万円になります。

元の簿価5百万円に、新規購入分の1千万円を足すと、簿価は合計1千5百万円になり、一番最初の簿価である1千万円よりも、簿価は5百万円上昇したことになります。

(8月19日にattac首都圏のメーリングリストに投稿したメールを若干改編)
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