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オリンパスの粉飾とギリシャ財政危機~ニッポンはこの20年間ずっと危機でした

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オリンパスの粉飾事件が気になっています。ギリシャと同じじゃないか、と。

オリンパス(Olympus)もギリシャ神話のオリンポス(Olympus)からとってるしね。(参照

欧州の財政危機から、日本でも(債権者の大半は国内金融機関だが)財政危機を懸念するというような報道もあるようですが、「何言ってんの!」と思います。

日本は既に20年前のバブル崩壊とその後の対応で、今回の欧州危機と同じことをやってきました。日本政府・日銀が世界に先駆けて未曽有の量的金融緩和をやったのもそうです。欧州安定化基金?そんなことはとっくに預金保険機構でやってますよ!という感じですね。だから日本の金融業界は「金融取引税?そんなこと必要ないよ!」とかたくななんだと思います。

ギリシャの粉飾財政?そんなこと日本企業は20年間やってきましたよ!という感じですね。銀行の不良債権? タックスヘイブンに隠してる? そんなのは、いろいろ付け替えてちょっとずつ日銀に買ってもらってますよ!って感じですね。

ということで、欧州財政危機は対岸の火ではないし、日本の社会運動こそが、このからくりを世界に示す必要があると思います。実際にG20では、政府・日銀はこの20年の経験をIMFはじめ各国政府に伝えているはずです。

オリンパスの損失隠しは、バブルに踊った大企業のほとんどがやってきたこと&今もやっていることだと思います。

・・・で前置きが長くなりましたが、「Ramon Book Project」のサイトにイグナシオ・ラモネさんによる欧州危機の講演(論文)の日本語訳がつづけて掲載されていますので、以下紹介です。冴えてます。


危機にある新自由主義

「一般的に国家が多額の負債を抱えた場合に、何が起こるのか? デフレが始まる。昨年よりも値段が安くなるという奇妙なことが起こる。わずかだが、ヨーロッパでも始まっている。しかし、歴史が教えてくれるのは、ベルサイユ条約で多額の負債を抱えたドイツ、ワイマール帝国のケースだ。ドイツは、負債金額の価値が下がるように、ハイパーインフレを起こしたのだ。私たちに今後高インフレやハイパーインフレが起きないと、誰が保障できるだろうか?」

・・・日本でも、不良債権処理で大量のマネーを投入しろとか、ハイパーインフレしかない、と主張した学者がいますが、困ったものです。


どのようにして危機は起こったのか?

「銀行はヘッジファンドに大量の融資をしていた。ヘッジファンドは未来を投機の対象にする機関で、銀行は彼らに簡単に融資を行っていた。例えば、100万ユーロの元手があれば1000万ユーロ融資するというレバレッジのシステムを用いて、膨大な融資を行っていたのだ。このお金を使ってヘッジファンドは何をしていたのか? 市場で最も利益率の良い金融商品を購入していた。そう、サブプライムの商品だ。そのため、サブプライムが崩壊すると、銀行は住宅を売れなくなっただけでなく、破産したヘッジファンドからの返済も失った。このようにして、2007年7月に今回の危機が始まり、拡大したというわけだ。」

・・・サブプライム危機の当初、報道ではサブプライムはアメリカの全債券市場に占める割合は1%もないから危機は限定的だとかほざいていました。一昨日の11月17日の「日経新聞」朝刊はこんなことをほざいています。

==(以下、日経新聞より)==

(三菱UFJ、みずほ、三井住友の)3メガ銀の欧州の重債務国(PIIGS、イタリア・スペイン・ポルトガル・ギリシャ・アイルランド)向け投資残高は267億ドル(2兆円強)。損失必至のギリシャ国債は保有せず、全体の1%たらずの融資も「インフラ企業など優良案件ばかり」と各行は口をそろえる。

==(以上、日経新聞より)==

「インフラ企業など優良案件ばかり」・・・うわー、もう嘘っぽいです!


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