不当な債務を帳消しにグローバルアクションウィークに寄せて(4)

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〔アクションウィークは終わってしまいましたが連載の続きです〕

コレア大統領の挑戦

 エクアドルの債務は1983年から2003年まで8回の債務繰り延べを行った後も減らず、支払い繰り延べの際にはより厳しい条件が課せられ、パリクラブによりIMFと9回の構造調整文書の交換を強いられ、それに基づいて2002年には石油収入を債務返済に充てる「安定化、社会・生産部門投資、債務削減基金(FEIREP)」が設立され、04年には3万人の公務員が削減されました。

 その結果、貧富の差が拡大して1995年に390万人(34%)の貧困者が2000年には910万人(71%)に急増する一方で、90年に総収入の52%を占めていた上位20%の富裕者が2000年には総収入の61%を手にするようになりました。

 そして、不満を高まらせた人々の運動によって97年にはIMFの構造調整を推し進めたブラカム、2000年にはスクレを廃止して通貨をドルにかえて人々に生活苦を与えたマウアド、05年には公約に反して親米政策と緊縮財政を執ったグティエレスの三人の大統領が退陣に追い込まれました。

 グティエレス退陣後はパラシオ副大統領が暫定大統領に就任しますが、現在の大統領であるラファエル・コレアは当時経済大臣を務め、債務返済に充てられていたFEIREPの資金を社会保障に使える基金に改めようしますが、世銀とIMFの反発を受けて2005年7月に解任されます。

 2006年11月の大統領選挙で当選したコレアは、翌年1月の就任後すぐにIMF債務を返済してIMFと縁を切り、7月には大統領の直属機関として「公的債務に関する統合的観察委員会(CAIC)」を設立し、国内外の委員はエクアドル中央銀行、財務省をはじめとする様々な機関に出向いて調査を行い、08年11月に報告書を大統領に提出しました。

 それに基づき「グローバルボンド2012」と「グローバルボンド2030」を不当な債務と認定しますが、報告書は「1976年から2006年まで、エクアドルの借入れのプロセスは金融セクターと多国籍企業に利益をもたらし、国民の利益に顕著な(悪い)影響をもたらした。課せられた条件と元利の支払いのために人々の基本的権利は制約され、貧困が深刻化し、移住が増えて環境が悪化した。」と債務を断定し、支払う必要がないと宣言しています。

 コレア政権は「グローバルボンド」を額面の30%で買い戻すことを宣言し、債券を持つ91%の人々が応じたことにより75億ドルを節約することができました。

 30年にわたる債務の不当性を暴いたCAICの報告書は、どこから攻撃されても良いようにエクアドル憲法に則って委員会が立ち上げられたことを宣言し、資料は多面的に検討されているので、コレアは国際的な訴訟も受けて立つとしています。

 債務監査の動きはエクアドルに止まらず、パラグアイとボリビアでは政府関係者を中心として債務監査委員会の設立は検討され、フィリピンとインドネシアではNGOレベルで債務監査委員会の設立を求める運動が行われています。

(つづく)
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