不当な債務を帳消しにグローバルアクションウィークに寄せて(3)

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「債務削減と引き換えに経済開放をさせて、まるまる太ったところをパクっといただく」
「ええ、だから債務削減に合意したんですよ・・・」


(連載の続き)

「債務削減」の実体

 債務がこげついて資金回収できなくなる危険性を感じた日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国等の債権国は「債務削減」の取り組み実施し、1988年のトロントG7サミット(先進7カ国首脳会儀)で300億ドルの債務削減を約束して債務国との交渉を始め、96年には重債務貧困国(HIPC)イニシアチブを確認します。

 HIPCは債務額を輸出収入で割ると150%以上になり、国民一人が1日ドル以下で生活する貧しい国ですが、先進国はHIPCイニシアチブにより検証を始めて「債務削減」を行い、債務帳消しを求める運動体の世界的ネットワーク「ジュビリー2000」の中の運動団体はこれを1歩前進と評価したこともあり、債務帳消し運動は下火となっていきました。

 しかし、「債務削減」されたブルキナファソの債務額と輸出収入の割合は208%、エチオピア208%、ニジェール208%、ルワンダ326%、マラウィ229%と変わりません。何故なら削減されたのは一定期間の二国間債務だけで、その代わりに対象国はIMFと新構造調整政策を締結して最長で6年間の履行を求めら、その間も利子を含めて膨らんでいくからです。

 私たちが求める債務問題の解決は債務がなくなって人々の生活が楽になることですが、債権国にとっては債務国がお金を返し続けてくれる状態を維持することなのです。

 2005年にはIMFをはじめとする多国籍機関の「債務削減」が実施されますが、これもHIPCルールに基づくものにすぎず、「南」の国々の債務帳消しを求める運動体はその欺瞞性を暴いて運動を行っていますし、ATTACを含める「北」の国々の運動体も債務帳消し運動を求める運動を続けています。

 2004年5月、イラク戦争終結を宣言したアメリカは戦後復興のためにイラクの債務帳消しを主張し、11月には日本、アメリカ、ヨーロッパ諸国等、債権国の非公式の会合であるパリクラブは会合で389億ドルの債務の80%削減を決定し、日本政府も05年11月にイラク政府と合意書簡を交換した後に30%を削減し、そしてIMF計画の合意後に60%に引き上げ、残り40%は償還期間を23年にする債務繰り延べで対応しました。

 当初、最大の債権国である日本は帳消しに抵抗しましたが、当時の小泉政権はイラクで民主的選挙がおこなわれる前にもかかわらず賛成しました。

 このように、債務帳消しは債権国の決定で可能ですし、債務返済を求めながら自国の政策次第で債務帳消しを決める債権国のダブルスタンダードこそ問題なのです。

(つづく)
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