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どの面下げて「天然ガス発電所を東京湾に誘致する」なんて言えるのか?

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「ピープル・パワーこそが再生可能エネルギー!」(2008年8月:記事
電力値上げと民営化に反対するAnti-Privatisation Forumのデモ



「電力は必ず売れる商品」
「外国のファンドも喜んで金を出す」
「海の森のその先の埋め立て地ができたらあそこに造ったらいい」
「これは原子力発電じゃないんだから」。

ひどい発言だ。

東京湾に天然ガス発電所の建設を!と吼えた石原慎太郎都知事のことだ。

「電力は必ず売れる商品」? 東電やそれに群がる利権屋どもと同じ発想だ。

「外国のファンドも喜んで金を出す」? 「石原銀行」といわれる「新銀行東京」だけでは空き足らず、さらに都民の税金を使ってエネルギー事業に投機マネーを流し込む?

「埋め立て地ができたらあそこに造ったらいい」? 「海の森」は「循環型社会のシンボル」といっているのに、大量浪費システムの中心地である東京・首都圏のあり方を反省することなく、海底や地中深くから自然を破壊して掘り起こす天然ガスを浪費しておこなわれる発電(つまり循環・再生エネルギーではない)施設をつくるために埋立地をつくる?(参考:海の森とは)

「これは原子力発電じゃないんだから」? 危険な原子力発電を東京以外の地域に押し付けてきた人が言うセリフか?原子力発電をやめてから言え。

寝言は寝てから言ってほしい。

石原都知事が先ず考えなければならないことは、

東京の電力をまかなうために福島に押し付けられた東京電力の福島原発の事故の被害者を、東電の大株主の責任として救済することではないか。(期限付き都営住宅に入居などのせこい支援だけでなく)

放射能で汚染された恐れがあり、廃棄処分にこまってそのままに放置されている郡山をはじめ福島各地の校庭の表土置き場を提供することではないか。(東電本社のすぐそばに大きな空き地があるだろ)

トンネル事故で業務上過失の疑いですぐにJR北海道に家宅捜索に入った道警のように、業務上過失や証拠隠し等の犯罪の疑いですぐに東京電力に家宅捜索に入るよう東京都公安委員会を通じて警視庁に要請することではないのか。(警視庁は捜査どころか、逆に毎日何十人もの体制で東電本社を警備している)

エネルギー政策転換の根幹である賃下げなしの労働時間の大幅短縮を実現するために、ハローワークや労働基準監督署、労政事務所などの機能を充実させることではないのか。電力を独占企業による「商品」から「公共サービス」に転換することが必要なのではないか。


石原都知事のひどい発言に触れて、そんなことを思った。
大量浪費の象徴、オリンピック誘致とかもやめてほしい。

(以下、新聞報道など)
天然ガス発電所 都知事協力要請 9都県市首脳会議
東京新聞 2011年5月31日朝刊

東京都の石原慎太郎都知事は30日、都内で開かれた9都県市首脳会議で、天然ガス発電所を東京湾の埋立地に誘致する考えを表明した。比較的安価で狭い土地に建設可能として、参加自治体に協力を呼び掛けた。

石原都知事は「首都圏で連合して、割と安価にできる。東京も出資するけど、電力は必ず売れる商品ですから考えてほしい」と説明。

会議後には記者団に「外国のファンドも喜んで金を出す。やろうと思ったらすぐにできる。距離も短くて途中で電力の消費(ロス)も防げる」と述べた。

都は23日に最新型の川崎天然ガス発電所を視察した。同発電所は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせることで、発電効率を通常の火力発電所の1・5倍まで高め、二基で85万キロワットと原発一基並みの出力がある。
石原知事は、27日の定例会見でも「実現可能なプロジェクトの一つ。研究した」と話していた。

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九都県市首脳会議 知事「首都圏のためだけに発電所を」
TOKYO MX NEWS 2011年5月30日

東京都など九都県市の首長による首脳会議がきょう都内で開かれ、東日本大震災を踏まえた今後の対応などが話し合われました。
 東京都から提案があったのは災害時にも機能する高速道路ネットワークの実現についてです。環状道路に交通を誘導し長距離利用車や大型車の負担を軽減させるため高速道路の一体的な料金体系の実現を目指すべきとしています。埼玉県の上田知事からは帰宅困難者対策として、より実践的な訓練をするため九都県市で共同して帰宅訓練をするべきだという提案がありました。
 石原知事が力説したのは電力の民営化についてです。川崎市にある天然ガス発電所を例に、東京や首都圏のためだけに発電所を造りたいと発言しました。石原知事は「海の森のその先の埋め立て地ができたらあそこに造ったらいい。これは原子力発電じゃないんだから。安定した運営のできる天然ガス発電所を造ったらいい。距離も短くて途中で電力の消費も防げるし。電線で引っ張ってくると電気は随分なくなるんだよ。これは首都圏でやったらいい、東京だけでなしに。東京でやると言ったら外国のファンド全部お金を出しますよ」と述べました。この件について知事は9月に開かれる経済フォーラムで提案するとしていて、首都圏連合でも考えていく必要があると話しました。

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知事 天然ガス発電所を検討 東京港埋め立て地に新設
東京新聞 2011年5月28日

 石原慎太郎知事は二十七日の定例会見で、東京港の埋め立て地に発電効率が高い天然ガス発電所を新設する計画を検討していく考えを示した。川崎市にある「川崎天然ガス発電所」を猪瀬直樹副知事らが二十三日に視察。比較的狭い土地に建設可能で、送電距離も短くて済むことから、都が目指す都市型電力の確保にもつながると判断した。

 川崎天然ガス発電所はガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた最新のコンバインドサイクル方式により、一般の火力発電所の発電効率40%を大きく上回る59%で発電。二基で八十五万キロワットと原発一基並みの出力を誇っている。また敷地は六万平方メートルと小さく、排熱回収ボイラー内の装置で窒素酸化物(NOx)を水と窒素に分解し、環境への負荷も少ないという。

 猪瀬副知事は視察時に「分散型発電により電力の安定供給が確保でき、リスクもほとんどない」と評価。報告を受けた石原知事は「一基二百億円くらいでできるそうで、財政状況によっては防災と東京の経済の維持を考えて、実現可能なプロジェクトの一つと考える」などと述べ、経済界にも協力を要請していく考えを示した。
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