東電の債権放棄で吼える金貸したちの論理


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原子力のお金? おことわり!
attacドイツのウェブより



5月13日に東京電力福島第一原発の賠償金支払いの枠組み政府案を発表した際に、枝野官房長官が、金融機関が東電の債権放棄などをしなければ「国民の理解は到底得られない」と発言。

これに対して、「どういう立場でおっしゃっているのか分からない。東電は株主の会社であって政府の会社ではない」(東京証券取引所の斉藤惇社長)、「金融市場に対する信頼感を担保することが大前提だ」(三井住友FGの宮田孝一社長)、「唐突で、違和感のある発言だった。民間と民間の関係に政府が直接的に関与するのはいかがなものか」(東京三菱UFJフィナンシャルの永易克典社長、「放棄するのは簡単だが、その代わり信用を失った東電はつぶれる。」(某大手銀行役員)など、マネー資本主義の中枢から異口同音に懸念が表明された。

「株主の会社」?ならば株主は放射能被害の責任を取るのか?

「金融市場に対する信頼感」?そんなものはサブプライムでとっくに吹っ飛んでいるのに?

「唐突で違和感のある発言」?10年間も法人税を払わなかったのに事故後の緊急融資で3000億円も犯罪企業に融資していることに違和感はないのか?

「その代わり信用を失った東電はつぶれる」?福島の人々をはじめ日本中、世界中からすでに信用を失っていることをいっているのではなく、金貸し達にしっかりとお金を返せるかどうかという信用?

とにもかくにも、貸した金、乱高下する株価のことしか考えていない。

報道によると、三井住友、MUFG、みずほなど金融機関は、震災前の東電に対する融資残高は約2兆円。震災後、国内の大手銀行や信託銀行は合わせて1兆9000億円を新たに東電に供給。三井住友、MUFG、みずほの緊急融資額はそれぞれ6000億円、3000億円、5000億円。だがこれら巨額のマネーは日銀の金融緩和によって担保されている。

東証の齊藤社長は「金融機関も株式会社なのだから、次からは東電にお金を貸さなくなる。そうしたら国が貸すのか。」というが、日銀による空前のマネー供給でなんとか生きながらえている金融システムに偉そうなことをいう権利はない。

枝野官房長官は、金融機関の債権放棄だけでなく、東電に対して資産売却、リストラなどを要求している。しかしちょっとまってほしい。東電に対してリストラを強制するもっとも効率的な手法を、民主党は政権についた当初にパフォーマンスとしてやっていたではないか。そう、仕分け作業だ。本当に必要な行政サービスさえも、「効率」や「リストラ」の名の下に切り捨てていった劇場型パフォーマンスを、いまこそ東電に対して、民衆やメディアの面前でおこなうべきではないか。

そのためにも、東電を「民間企業」などという天下りと政治献金と環境破壊と人権抑圧にまみれた抜け穴から引きずり出す必要があるだろう。いま、送電部分の公有化という主張が広がり始めている。これは一歩前進だ。だがあわせて発電の自由化という、あまり具体的な根拠のない手法、いや新規参入を狙う大資本にとっては大いに根拠のある主張も息を吹き返している。

資本主義の社会では、はじめは自由な競争であっても、いずれ淘汰から集中・独占へと進む。電力をはじめとするエネルギーという、人々にとって必要不可欠な社会的サービスを市場任せにしてはならない。とりわけ金融化が進んだ現代資本主義社会において、市場任せのエネルギー事業はあっというまに金融市場の虜となり、人々の必要ではなく、投機マネーの必要に大きく左右され、結果として多大な被害をもたらすことはエンロン事件でも明らかだ。

電力事業の公有化、太陽エネルギーをはじめ自然エネルギーへの大転換のために巨額の設備投資を政府・自治体の責任でおこなうこと、その費用は金融市場への課税でまかなうことなど、政治の責任で行うべき事柄はたくさんある。

その第一歩が脱原発を内外に向けて宣言することだが、菅直人首相は、5月26、27日にフランス・ドービルで開催されるG8サミットの冒頭で「持続的で安定的な原子力利用を目指す」ことを宣言するという。だが菅首相が核ビジネス大国であるフランスで開催されるG8で宣言すべきは「持続的で安定的な地震、津波、原発被災者への補償」であり「持続的で安定的な自然エネルギー利用を目指す」ことだろう。

原発を推進するG8=Genpatsu8は解散せよ!
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