「国際通貨金融システムについての専門家委員会報告」(スティグリッツ国連報告)出版されます!

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2008年10月にデスコト国連総会議長がの呼びかけで結成された「国際通貨金融システムについての専門家委員会報告」(スティグリッツ委員長)の最終報告書が出版されることになりました。
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当初からブログで丁寧にこの報告を追い続けてきた和泉通信の森史朗さんによる翻訳。

厳しい出版事情の中での勇気ある自費出版。ぜひ下記ページに書いてある方法で直接注文してください。
注文方法はこちらから。 

『スティグリッツ国連報告 国連総会議長諮問に対する国際通貨金融システムについての専門家委員会報告――最終版2009年9月21日』
《目次》
序 文 真実のための戦いへの招待状
第一章 はじめに 第1-57項
第二章 マクロ経済問題と視点 第1-133項
第三章 国際的規制改革により世界経済の安定性を高める第1-235項
第四章 国際機関 第1-117項
第五章 国際金融の革新 第1-101項
第六章 結論 第1-37項

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この最終報告は、最初に2009年5月に中間報告が発表され、同年6月にニューヨークで行われた「世界金融経済危機と開発への影響に関する国連会議」での決議にも取り入れられ、その様子も国連サミットニュースで公表されました。

しかし、これはすんなりいったわけではありません。決議に前後して、厳しい規制を謳う同報告を嫌う「先進国」などが不穏な動きを見せたりしていました。そして同年9月の国連総会でついに最終報告が発表されました。今回出版されるのはこの最終報告書です。発表記者会見ではスティグリッツ氏とともにデスコト国連総会議長(当時)もその意義を訴えました。

この専門家委員会を組織したデスコト国連総会議長(当時)は、2009年9月の退任挨拶で次のように述べています。

「G-8と、G-20は重要な少数派として続くでしょう。しかし、それはそれらの国が富裕で強力だからであって、それらの国が問題解決能力で優れているからではありません。結局今回の危機の原因はその諸国が非常にひどい誤りをおかしたことにあります。そしてブレトン・ウッズ機関はその諸国によって運営されています。世界で今日進んでいることが世界史上最悪の危機になるかも知れません。これらのことを私たちは忘れることはできません。忘れてはいけないのです。」

デスコト議長は、2009年6月の「世界金融経済危機と開発への影響に関する国連会議」の直前に開かれた社会運動団体による女性集会でも次のようにG20を厳しく批判しています。

「G20などの他のグループは世界全体を決めようと、尊大にも、経済衰退に対処すると言いつつ、狭い利益のみを守る緊急処置を提案してきました。さらに、そのような国は、主に今回のような混乱を再発させないための幅広い改革提案をことごとく拒否してきました。この会議は、世界的な経済的統治について世界的な会話を始める機会であり、現在と今後数十年にわたり国際機関をより多くの人々に代表され、包括的なものにする方法ととみなされるべきです。」

危機を受けてG8は存在意義をなくし、G20金融サミットによる会合が続けられてきましたが、そこで出されている対策は、デスコト議長の「それらの国が問題解決能力で優れているからではありません」という発言を裏打ちするかのようなものばかり。

一方、『スティグリッツ国連報告』は、記者会見に同席したデスコト議長によれば、「私たちの経済の命を蘇らすだけでなく、希望と、経済安全保障と、一部の人のためでなく、地球上のすべての兄弟姉妹にとって持続可能な地球環境を作って行く助けとなる」ものです。

個人的には、大きくてつぶせない社会的に必要な金融機関は、私的所有ではなく社会的集団所有と民主的管理をすること、つまり規制や分配の変革ではなく所有制度の変革でしか問題は解決できないと思います。それは地球全体を破壊に追いやるまでになった巨大な生産手段に対しても同じことがいえるでしょう。そうして初めて「成長か脱成長か」という議論を超えた次元に立つことができるとおもいます。

とはいえ、国連加盟の192カ国の政府代表による決議は、G20などと違って十分な重みを持っています。通貨取引に規制的な課税を行い、タックスヘイブンとの真剣な闘いを提起し、「途上国」と呼ばれる国々に押し付けられた不当な債務を帳消しにし、気候変動における先進工業国の責任を追及し、民営化と軍事化に抵抗するもう一つの世界を目指すグローバルサウスの人びとのたたかいにつながるためにも(そしてそれは賃下げやリストラ、不安定雇用や社会保障の縮小と貧困と軍備増強に苦しめられている北の国々の人々の苦しみとつながっている)、たくさんの人に読んでもらいたい一冊です。
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Comment

「スティグリッツ国連報告」出版

「スティグリッツ国連報告」の出版についてのブログを書いていただきありがとうございました。ATTACこうとうの皆さんが、当時の関連報道を適切に結びつけ、デスコト議長とスティグリッツが作ってきた流れと、それを抑え込もうとする競合勢力の動きをイキイキと描き出しています。私の翻訳文がこうした分析の材料になれただけでも、報われたという思いです。

2010/12/17 (Fri) 18:34 | 森 史朗 #- | URL | Edit
ワンピース

ワンピースの物知り自慢を争ってみませんか?なんか海賊王争いみたいで良いでしょう。ちょっとレアな問題とかも出ますが、結果によってはレアな称号、ヒグマ山賊団の頭の称号が手に入るかもって、いらないかな

2010/12/27 (Mon) 14:22 | ワンピース #nk10TC8. | URL | Edit

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