金融取引税実現につきATTACフランス近日解散へ--日本でも同様の議論はじまる

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attacフランスは4月1日、会員に対して「金融取引税実現につきATTACフランス近日解散へ」という案内を出し、これまでの活動の努力の結果、フランスでは金融取引税の導入が現実味を帯びたとして、解散にむけての議論を行う旨の通知を行いました。

欧州ではフランスやイギリス、ドイツなど、首相や関係閣僚がトービン税について言及してきました。2009年9月のG20ピッツバーグサミットでは、国際通貨基金(IMF)に対して国際的な金融取引に対する課税を含む銀行規制の方法を検討するように要請し、IMFは4月23日にワシントンで行われるG20財務大臣・中央銀行総裁会議で、過度のリスクをとる銀行からの納税者保護を目的に、金融取引税など4つの選択肢を提示することになりました。

金融危機からはじまった国際金融システムの見直しの急激な変化は、欧米だけでなく政権後退を果たした日本にも大きな影響を及ぼしてきました。

峰崎財務副大臣は、09年10月5日にトルコ・イスタンブールで行われた世銀・IMF合同開発委員会で、国際連帯税の検討に前向きな発言を行いました。(発言はここ

また09年12月22日に閣議決定された2010年度の税制改正大綱では「我が国でも、地球規模の問題解決のために国際連帯税の検討を早急に進めます。」ということが明記され、4月8日に開催された税制調査会では、専門家委員会のもとに「国際課税小委員会」を設置することが決まりました。

基本的にヨーロッパにおける議論と同じ流れのなかで、日本でトービン税実現に向けて宣伝活動を行ってきたATTAC Japan(首都圏)も役割を終え、4月18日に開催される第九回総会では、attacフランスに続き発展的解消に向けた議論を行うことになります。

って、そんなワケないでしょ!

4月2日、attacフランスは、「金融取引税実現につきATTACフランス近日解散へ」という4月1日付けのメールはエイプリルフール用の嘘メールであるとして、ますます会員の力が必要になっている、と以下のようなメールを発信した。

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金融取引税の実現には、我々の力が、あなたがたの力が欠かせない原文

(以下抄訳)
 エイプリル・フールに、金融取引税実現につきATTACフランス近日解散というメールをばらまいたが、あれは嘘、まだまだATTACががんばらねばならん。金融取引税の実現には、我々の力が、あなたがたの力が欠かせない
 IMFもアメリカ政府も反対してるし、ヨーロッパ諸国も足並み揃わず。ATTACに結集せよ。90年代末、MAIやWTOに対抗した時のような規模の動員が必要だ。2010年6月トロント、2011年4月カンヌのG20を視野に。
 南側の諸団体とも力を合わせ、4月末に最初の大々的な意思表示をしよう。G20諸国政府宛ての請願書の署名先はここ
 ATTACフランスではパンフレットを準備中。また10日と11日に勉強会も予定している。まずはトロントのG20に向け、圧力をかけていこう。
 そうそう、これを忘れちゃいけない。ATTACへ入会、そして寄付も。
(以上抄訳)

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もちろん日本だっておなじ、いやエイプリルフールはとっくに過ぎてしまい、フランス以上に厳しい状況にある。政権交代で従来とは違う税制論議を深めることができるのか、投機マネーに対する課税が実現できるのか、不安は尽きない。前述2010年度の税制改正大綱を巡ってはここでも懸念を表明した。

リーマンショック後初めて行われたG20サミットをまえに、日本政府は、バブル崩壊をくぐりぬけた日本の経験を伝えると意気込んでいた。「そんなあほな」と思っていたが、事態は公的資金投入、超低金利、財政赤字の拡大、そしてそのツケは民衆に、という日本がバブル崩壊以降歩んできた10年をあっという間に再現した形になった。

G20サミットをはじめとする各国の政府・中央銀行、IMFや世界銀行などの多国間金融機関などによる処方箋は、危機の解決ではなく、先延ばしをはかっているだけである。日本では日銀による国債買取(毎月1兆8000億円)などを通じたマネー供給やJBICなどによる貿易金融支援など、金融規制とは一切関係のない対策が採られている。

銀行の自己資本規制の改善を検討してきた国際決済銀行(BIS)における議論でも、市場や民間格付け会社、銀行自身の自発性に依拠した従来の規制を大きく転換することはできていない。実際の取引を行っている金融機関自身がもっともリスクを把握しているという、今となっては冗談でしかない理論にいまだに固執しているのがBIS規制の議論の中身である。

スーザン・ジョージさんは、国際金融危機を巡るG20サミットのこれまでの対応を次のように酷評している。

「恐ろしいほど陳腐なG20会合が二度にわたって開催されました。この会合のはっきりした目的は、できる限り早い時期に「ビジネス・アズ・ユージュアル」(これまで通りのやり方)に戻ることでした。G20による解決策は、IMFを消滅から救い出すために、総額7500億ドルもの税金を、何の条件もつけずに差し出すというものでした。こうしてIMFは再び、猛烈な構造調整政策を、その犠牲となる国に押し付ける自由を得たのです。タックスヘイブン(租税回避地)をめぐってちょっとした騒動がありましたが、G20は誰も心配しなくてもいいように対立を収拾し、タックスヘイブンに関するOECDのブラックリストにはもはや該当する国はないという信じられないような発表を行いました。」
あれから10年:可能なもうひとつの世界のための課題と提案(スーザン・ジョージ)

欧州attacネットワークは、金融機関のリスクを担保する費用を徴収することを目的とした課税であるロビン・フット税の導入キャンペーンを精力的に担っている。

カジノに興じた金融機関の損失を、「大きすぎてつぶせない」という理由で公的資金によって救済することにくらべたら、あらかじめそのようなリスクを想定して、金融機関から徴収したロビン・フット税を徴収して、その費用に当てることは、「ツケを民衆に回すな」というオルタグローバリゼーションの考えにも沿ったものであるし、また投機マネーに対して一定程度の規制的役割を果たすことも期待されている。

しかし何度でもいうが、G20サミットがIMFに要請したことは、投機マネーを規制することではなく、金融システムの規制を改善し、その救済費用をシステム自体にも負担させるための提案をつくるということである。

税制調査会に設置される国際課税小委員会では、租税条約や租税回避の問題も議論される。
国際課税小委員会設置へ、国際連帯税も検討課題=税制調査会(ロイター)

投機マネーを規制するための通貨取引税を!タックスヘイブン規制を強化せよ!途上国債務の無条件帳消しを!気候変動ではなくシステムチェンジを!など、国際金融をめぐるオルタナティブを下からの力で作り上げていくために、ますますますますみんなの力が欠かせない。4月18日の総会では、具体的に動き出すための活発な議論を!

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