これのどこが郵政民営化見直しなんだ

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「ひどい中身だなぁ」。郵政改革の基本方針に関する閣議決定を読んで最初に頭に浮かんだ言葉だ。

「現在の持株会社・4分社化体制を見直し、経営形態を再編成する。この場合、郵政事業の機動的経営を確保するため、株式会社形態とする。」
(参考)郵政改革の基本方針に関する閣議決定(2009年10月20日:PDF)

これのどこが郵政民営化見直しなんだよ。

にもかかわらず、21日付の日経新聞朝刊では、「何のための逆戻りか」(一面)、「これは郵政改革の撤回ではないか」(社説)など、やけに騒がしい。日経新聞ともあろうものが、民営化とは何たるかを知らないはずがないだろう。ミスリードにもほどがある。

東京新聞の20日付の夕刊の一面の報道もひどい。六項目ある郵政改革の基本方針に関する閣議決定のうち、この「株式会社形態とする」という箇所だけを除いて報道している。

はっきり言わなければならない。この閣議決定は、郵政民営化の見直しではなく、郵政事業の見直しである。閣議決定の冒頭でも「郵政事業の抜本的見直し」と高らかに謳っている。株式会社化したうえで、どのような事業形態が可能か、ということに過ぎない。

株式はすべて政府が保有するから民営化ではない? そんなでたらめにカツを入れてくれたのが、フランスから来日しているラ・ポスト(フランス郵政)の労働組合であるSUD-PTT労組のケランさんの話。

「サルコジはこう言っている。『ラ・ポストが株式会社化されても、100%公的な資本によって株式がほゆうされるから民営化ではない』と。しかしそんなでたらめは、これまで株式放出はしないと言って民営化したテレコム、ガス、電力などが、ほんの短期間のうちにその大半の株式を放出したことでも明らかだ。公的企業の株式会社化は当然である、という流れをラ・ポストの株式会社化で作りたいとおもっている。」

フランスでは、こんなサルコジの民営化法案に対して230万の市民が、民営化はノンだ!という市民投票に参加した。ケランさんの話や市民投票の意義については別途論じたいが、とにかく郵政事業の所有形態を問題にしたのだ。

株式は放出しない?100%政府保有? そもそも全国あまねく貯金資金を集めている郵政事業に、どうして資金調達のための株式会社化が必要なのか。利益を出すため??株や金融市場で利益を出すなんて恐ろしい考えを公共サービスに持ち込まないでくれ。

すくなくとも、この閣議決定を「郵政民営化からの決別」なんていう報道はしないでほしい。
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