今年もまた「債務と国際金融機関に反対する世界同時行動週間」がやってきた

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▲帝国主義に投げつける靴ならまだまだあるぞ!IMF世銀総会に抗議するトルコ民衆

今年もまた「債務と国際金融機関に反対する世界同時行動週間」がやってきた。10月12日から18日まで、債務帳消しなどを訴える様々な取り組みが世界各地で行われる。

Week of Global Action against Debt and the IFI's.
No More False Solutions: People and the Planet need Debt Cancellation and Reparations, NOW!

(誤った処方箋はもうたくさんだ:人々と地球環境に対する債務帳消しと賠償をいますぐに!:英語)

外国語なので何が書いているのかは、おおざっぱに判断するしかないのだが、「南」諸国の民衆に押しつけられている「不当な債務」を帳消しし、歴史的な損害の回復と賠償を要求している(ようだ)。

金融危機は、ツナミや台風と同じく、もっとも貧しく虐げられている人々を直撃する。イギリス在住のナイジェリア人、ソカリ・エキネは金融危機と債務の問題を鋭く指摘している。

「二週間の間に、4兆ドルを超える資金が西側の金融危機解決のために準備された。銀行国有化、企業や金融機関救済のための金だ。これは米国とEUが2007年にアフリカに送った援助総額の45倍の額だ。」
「西側世界とIFI(国際金融機関、INFや世界銀行などのこと)はアフリカの不公正な債務の帳消しを拒否し続けている。その額は約3000億ドルと見られる。」
「アフリカは海外の企業や多国籍企業の租税回避や免税措置の直接の影響として毎年1600億ドルを損している。」
「2007年の出稼ぎ・移住労働者のアフリカへの送金は278億ドルだった(各国のGDPの2%から30%にあたる)。西側諸国の金融危機の結果、すでに故国に送られる額は大幅に減少し始めている。」
ソカリ・エキネの「G20とアフリカの抵抗」より

昨年秋以降の金融危機を受けて開かれてきたG20サミットは、債務問題の元凶のひとつであるIMF(国際通貨基金)のさらなる強化を呼びかけている。人々と地球環境の願いにまったく逆行している。
10月5‐6日にトルコ・イスタンブールで開催されたIMF・世銀総務会年次総会の閉会のあいさつでドミニク・ストロスカーIMF専務理事は、ケインズの言葉を引用しつつ、「我々は危機後の世界を再構築するという歴史的な機会を手にしました。そしてこれは、このケインズの言葉を現実にするチャンスなのです。」と発言を締めくくった。

だが総会に先立つ10月1日、イスタンブールのビルギ大学で講演したストロスカーン専務理事に対して、聴衆からは靴が投げつけられ、年次総会最終日の6日には「IMFはでていけ!」と訴えるデモ隊が総会会場近くまでデモを行っている。

危機後の世界の再構築をIMFや世界銀行に任せるわけにはいかない。IMFがやるべきことは債務帳消しと債務被害に対する賠償だ。

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昨日、新政権の岡田外相はアフガンを電撃訪問した。テレビの報道によると、現地の人々に歓迎される支援を、とコメントし、隣国パキスタンへ向かった。そうであるならば、まずアフガンやパキスタンにおける「不当な債務」を帳消しするための公正で市民社会に開かれた債務監査のプロセスを開始すべきだろう。

「脱官僚」を掲げる政権としてもっともふさわしい第一歩は、ほぼ毎月2回、財務省国際局開発規制策課長と明治以来の役職である参事官が日本国政府の首席代表として参加している「高利貸しサロン」のパリクラブから脱退することだろう。パリクラブは、その参加者も「あくまで非公式な任意団体、主要な先進債権国の非公式の集まりに過ぎない」と認めるように、主要先進債権国の財務官僚による非公式の会合に過ぎないにもかかわらず、債務国の貧しい人々を苦しめる厳しい借金とり立ての算段を話しあうサロンとなっている。パリクラブからの脱退こそ「脱官僚」にふさわしい実践の一つだろう。(パリクラブについては、「債務のパリ」入門(PDF)を参照)

昨年来attacなど複数の団体で発行されている不当な債務の帳消しを求める『DebtBye!でっとばい』では、不当な債務の概念や債務帳消しを求めるパキスタンの声が掲載されている。この機会にぜひたくさんのみなさんに読んでもらいたい。

「DebtBye!でっとばい」ブログ
第一号

・Debtばい!を出すよ 創刊の辞…のようなもの
・エクアドル、不当な債務との闘いの前進
・「不当な債務に関する南北国際キャンペーン戦略会議」
・Book Review 不当な債務をあつかった2冊
・再び Illegitimate Debt (不公正な債務、不当な債務)について(上)
・パキスタン政府への無償資金協力を批判する
第二号
・ぜんぜん解決していない債務問題:巻頭言…のようなもの
・影響下のパキスタン
・コレア大統領、不当な債務の調停案を作成
・新たなジンバブエ債務帳消しを
・世界の債務運動からの提言
・再び Illegitimate Debt について[下]

以下は、昨年の同時行動週間等の情報。昨年は債務帳消しの取り組みを通じて、多くの尊敬すべき、そして素敵な人々と知り合うことができた。もちろん運動のちからおよばず残念な思いもしたが、記念すべき年であったといえるだろう。そのメモリアルの一端を以下に紹介しておく。

【2008-10/12-19】債務と国際金融機関に反対する世界同時行動週間
「いま、世界を襲っている飢えと気候変動の脅威は、現在の、債務を利用した北による南の支配の端的な現われです。貧しい国が海外・国内の莫大な債務を返済するということは、食料主権を確保し、気候変動を防止するために必要な資金を失うことを意味します。このことだけでも、債務は正義に反しています。これだけでも債務の帳消し、ならびに返済拒否あるいは他の形態での不払いを主張する根拠となり得ます。」

「アフリカは自由を求めている」~Tiken Jah Fakoly~国際金融機関と債務に反対する世界同時行動週間によせて
「ラテンアメリカやアジアと同じくG8諸国をはじめとする先進国によって押し付けられた債務に苦しめられているアフリカから、コートジボワールのレゲエミュージシャン、Tiken Jah Fakoly(ティケンジャファコリー)の曲を紹介することで、世界同時行動週間の記念のひとつとしたい。」

「世界で見捨てられているすべての人々のために語りたい」:トーマス・サンカラを偲んで
「10月15日は西アフリカ・ブルキナファソの若き大統領、トーマス・サンカラが暗殺された日です。タイトルの『世界で見捨てられているすべての人々のために語りたい』は、サンカラが国連で行った演説の一節。」 「私たちを債務漬けにした連中は、まるでカジノにでもいるように賭けをしたのだ。彼らが勝っている間は何の問題もない。いまや彼らはギャンブルに負けたので、私たちに返済を要求している。そして危機のうわさが出始める。彼らは賭けをし、負けて損をした。それがゲームのルールだ。こうやって人生は続くものだ。(中略)もし、ブルキナファソが債務支払を拒否する唯一の国だったら、私は次の会議の時にはいないだろう。---」

アフリカから搾り取れ--TICAD(アフリカ開発会議)が終わって
「5月25日には横浜でTICADの意味を問い、トレバーさんへのビザ発給に関する妨害に抗議してデモと集会が行われました。5月25日は、アフリカの解放のために命を落とした人々を記念するアフリカ解放記念日50周年にあたり、また1963年5月25日アフリカ統一機構設立45周年の日でした。福田首相の演説を聞きながら、そんなことを考えた一日でした。会場付近で抗議のチラシまきをされた皆さん、記者会見に参加された皆さんお疲れ様でした。」

債務・貧困・格差データ2009
「世界の人口のわずか16%しか占めていない先進国が富の76%を所有していること、格差は広がっていっていること、南の富が北の国々を養うために使われてきたこと、貧困廃絶といいながら豊かな国がそのための資金は出し惜しみする一方で、今回の金融危機で北の銀行を救済するためにその何倍もの額を即座に投じたことなどがよくわかります」

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▲債務問題を扱うニューズレター『DebtBye!』第二号表紙
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