
ドキュメント映画『ブルー・ゴールド 狙われた水の真実』を観た。(
公式サイト)
冒頭、工業化、都市化、ダム建設などによって、水の枯渇問題が提起される。本来、自然のなかで循環してきた水が、人的影響、とりわけ資本主義による工業化によって、循環のサイクルが断ち切られている状況が分かりやすく提示される。
枯渇する水資源を民営化等の手法によって囲い込む多国籍企業の問題点が指摘されるところから、ぐいぐいと引き込まれていった。
2007年1月にアフリカ・ケニアの首都ナイロビで開催された世界社会フォーラム2007のワークショップで、水の民営化問題を提起するモード・バーロウが登場する。インタビューに答えてこう訴える。
「世界銀行は第二次大戦後、途上国援助のために設立されました。先進国の出資金で途上国を支援するはずでしたが、世界銀行は逆に三大水道企業と手を組みました。債務負担軽減と引換えに、途上国に水道民営化を迫ったのです」
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1804年1月1日、ハイチはフランスからの独立を宣言した。
ハイチ革命(ウィキペディア)ハイチ債務に関する情報リンクです。
国際NGOのAvaazが呼びかけたハイチ債務帳消しを求めるウェブ署名の日本語訳が「のろや」さんというblogに掲載されている。英語が分からない人にとってはありがたい。
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ハイチのこと(のろや)
署名サイトにもリンクしているので、ぜひアクセスして署名してほしい。さっそく参考にさせてもらい署名した。
債務帳消しなどに関する情報を掲載しているブログ「カネなら返さん」には、震災後のハイチから放送したデモクラシーナウの日本語訳が掲載されている。ハイチ債務の実態を知る上でも貴重な資料だ。
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いかに西側支配がハイチが天災から回復する力を損なってきたか2004年のハイチで発生したクーデターと米国・IMFとの関係についての以下の論評も参考になる。
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ハイチの政権転覆クーデタの背景(世界の底流)
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ハイチのクーデターとブッシュ政権のグローバル戦争(週刊かけはし)
もうひとつ気になる報道があった。金持ちエリートクラブとして批判されている世界経済フォーラム(WEF)に出席した国連ハイチ特使のクリントン元米大統領が「水や食料などの緊急援助に加え、民間投資による経済再建が重要だ」と訴えたという。
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ハイチ支援で特別会合 ダボス会議、民間投資呼びかけ(日経新聞)
資金援助を含む多くの国際的支援が寄せられているが、けっきょくカネが「北」の国の企業に還流することのないようにしてもらいたい。「復興支援」が「復興ビジネス」にならないことを祈りたい。
ついでにいうとアメリカは原子力潜水艦カールビンソンを含む1万人規模の軍隊を出動させ、治安維持などにあたっている。日本は国際緊急援助隊を派遣し、自衛隊の医療チームも派遣しているが、今度はPKOとして施設部隊を派遣するという。震災復興支援に軍事行動をともなうPKOは似つかわしくない。
あとは日本語以外の資料になるが、第三世界債務帳消し委員会(CADTM)の仏・英語サイトにも、ハイチ債務の歴史や米軍の軍事出動、モントリオールで開催されたハイチ復興支援会議などに関する鋭い批評が掲載されている。英語やフランス語が理解できる人はぜひアクセスしてほしい。
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CADTM 英語サイト 仏語サイト
ハイチ債務を今すぐ帳消しに
台湾NGOが台湾政府に呼びかけ原文ハイチは世界銀行と国際通貨基金(IMF)の「重債務貧困国」リストに入っており、早くから国際的な債務帳消し運動や人道支援団体が注視してきた。それゆえ近年、世銀、米州開発銀行(IDB)、カナダ、パリクラブなどがそれぞれ債務削減を進めてきた。今回の震災の後、旧植民地宗主国のフランスは、台湾などの主要債権国に対して、早急にハイチに対する一切の債権を放棄するよう呼びかけた。
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ハイチ革命当初には「自由、さもなくば死」と書かれた旗が掲げられた震災による被害で死者が20万人を上回るというカリブ海の国、ハイチ。日本を含む世界各地から救援や援助が始まっている。
具体的な情報や支援ができるわけではないが、「途上国」とよばれる国々に押し付けられてきた債務問題を細々とではあるが追って来たブログとしては、国際社会がいますぐにでもできる「支援」として、ハイチが負わされてきた債務の帳消しを一切の条件をつけずに実施することを呼びかけることで、いま悲惨な状況にあるハイチの人びとに、すこしでも関心を向けてもらえないかと願う次第だ。
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創作児童文学作家の乙骨淑子さんの作品に『八月の太陽を』がある。世界で初めて黒人による独立革命を成し遂げたハイチ革命を扱った作品だ。この作品は、フランス革命の熱気を受けて、とおく西インド諸島のフランス植民地で当時はサンドマングと呼ばれていたハイチの地で1791年に蜂起した黒人奴隷たちを指導し、1802年に奴隷制を復活させたナポレオン軍の罠によって捕らえられ、翌年スイスとの国境にあるジュラ山脈のフランス領ジュー山城の石牢で獄死したトゥーサン・ルーヴェルチュールを主人公にしている。物語はトゥーサン・ルーウェルチュールが獄死した時点で終わっているが、自由のために蜂起したハイチ民衆の闘いは1804年11月のヴェルティエ−ルの戦いでフランス軍を敗北させ、勝利する。
だが、自由を求め、ナポレオン軍と闘い、そして独立を達成した世界最初の黒人による共和国の苦難はその後も続く。乙骨淑子さんは、「おわりに」で次のように述べている。
「この物語は、これで終わります。このあと(トゥサン獄死後:引用者)、フランス総司令官のロシャンボーはジャマイカ島に逃げのび、1804年、フランスはハイチ島の主権すべてを黒人にわたし、ここに世界ではじめての黒人独立国がきずかれました。私がそこまで書かずに、この物語をトウセンの死んだ1802年までとしたのは、独立国になったものの、それから160年以上もたった現在でも、なおハイチ島はその頃の黒人たちが願っていたほんとうの独立国になっていないためです。」
「今のハイチ島のデュバリエ大統領は、選挙の時には、投票用紙に自分の名前を入れ、投票した者すべては彼に賛成をしたということにしてしまったりしているのです。」(同書300頁)
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12月22日に閣議決定された2010年度の税制改正大綱の「第3章 各主要課題の改革の方向性」のなかに「国際連帯税」が明記された。
「国際金融危機、貧困問題、環境問題など、地球規模の問題への対策の一つとして、国際連帯税に注目が集まっています。金融危機対策の財源確保や投機の抑制を目的として、国際金融取引等に課税する手法、途上国の開発支援の財源確保などのために、国境を越える輸送に課税する手法など、様々な手法が議論されています。すでにフランスやチリ、韓国などが航空券連帯税を導入するなど、国際的な広がりを見せています。我が国でも、地球規模の問題解決のために国際連帯税の検討を早急に進めます。」
(資料)
税制改革大綱(財務省)
国際連帯税とは、貧困や保健、環境など地球規模での問題に対応する税収であり、炭素税や航空券税などとともに、ATTACが創設以来主張してきた通貨取引に対する課税も含んでいる。税制改正大綱で言われている「投機の抑制を目的として、国際金融取引等に課税する手法」には通貨取引が含まれていると考えていいだろう。
実際、11月27日に行われた2009年度第14回税制調査会において、国際連帯税(ここでは「国際開発連帯税」といわれている)等の要望を説明した西村智奈美・外務大臣政務官は、調査会の中でこう発言をしている。
「我が国においていかなる国際連帯税を導入すべきかについては、現時点では残念ながらまだ未定でございます。・・・・・・課税対象については、やはりメインの議論は、いわゆる金融取引にかかる金融取引税のわけでありまして、峰崎副大臣も御承知のとおり、先般パリで国際会議が開かれまして、私もそこに出席をしてまいりました。新しい追加的な開発需要に対する新しい追加的な予算ということで、金融取引税、通貨取引税については議論がされておりまして、ただ、これは国際的に、一斉の声で導入をする必要があるものであると思いますので、これは別途そういった国際的なステージで議論していく必要があると思います」
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第14回税制調査会議事録◎
外務省要望事項日本政府の公式文書において、後ろ向きではなく前向きな表現で、通貨取引税を含む国際連帯税が書き記されたことは小さくない出来事だろう。だが、いくつかの、いや、いくつもの点で喜べない、慎重にならざるを得ない事実がある。
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通貨取引税(トービン税)による投機マネーの規制を:日銀の量的緩和再開によせて(2)で、日銀による円の大量供給による円高緩和効果よりも、通貨取引税(トービン税)を導入するほうが、よっぽど為替相場は安定するだろう、という趣旨のことを書いた。
その続き、というか、為替相場の安定と人々の生活の安定という、一番言いたいことを書かなければと思いつつ、ほったらかしにしてたら、こんなニュースが流れた。
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〈トヨタ〉部品価格の3割減要請…系列メーカーへ3年内に12月22日10時37分配信 毎日新聞
「トヨタ自動車が系列の部品メーカーに対し、部品価格を現行から3割程度引き下げるよう求めていることが分かった。21日までに部品メーカーに要請した。今後3年内に実施する計画で、12年から販売する新車価格を抑えて需要を喚起するとともに、今後成長が期待される新興国市場での価格競争力を高める。」(以下略)
やっぱり書いておこう。
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attacのトレードマークの「%」はトービン税の税率を象徴しています日銀による今回の措置は、デフレ対策のほかに、急激な円高対策という副次的な目的もあるらしい。
白川方明・日銀総裁は、金融当局のトップとして為替市場に対する詳細な言及は避けつつ次のように述べている。いわく「日本銀行は、現在の極めて低い金利を維持することを既に発表しています。そうした政策方針が正確に理解されれば、それは為替市場にも相応の影響が及ぶであろうとの趣旨」(
12月1日の記者会見:PDF)
もう少し分かりやすく言うと「円高進行の背景には一部の短期金利では日米の水準が逆転していることがあり、今回の措置で長めの金利まで広く押し下げられれば、円高に一定の歯止めがかかる可能性がある」(日経新聞12月2日朝刊)とのことらしい。
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12月1日、日銀がデフレ脱却のために、さらなる金融緩和政策を打ち出した。金融機関に対して新たに10兆円規模の資金供給を行うという。
「日銀は1日、臨時の金融政策決定会合を開き、金融機関が資金をやりとりする短期金融市場向けに、10兆円規模の新たな資金供給策を追加することを全員一致で決定した。年0.1%の固定金利で、期間は3カ月。やや長めの金利の低下を誘導するのが狙いで、日本経済がデフレから脱却し、物価安定の下で持続的な成長経路に復帰するため、政府と歩調を合わせて金融面から支援姿勢を強めることを明確にした。」(12月1日 時事通信)
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国際的租税回避行為への対応〜国際税務専門官の仕事〜
国税局Web-Tav-TV 2009年10月配信これまで何度かこのブログでは、G20サミットにおけるタックスヘイブン規制のデタラメについて取り上げてきた。米・ピッツバーグでのG20サミットが終わってからもう1ヶ月以上もたってしまったが、ここで改めて批判しておきたいと思う。
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2009年9月25日に米・ピッツバーグで行われた第三回G20サミットの首脳声明では、並み居る他の金融規制の課題を抑えて、このタックスヘイブン(G20では「非協力的な国・地域(NCJs)」と呼んでいる)規制に関する声明が群を抜いている。
曰く
「非協力的な国・地域(NCJs)と闘うという我々のコミットメントは、目覚しい成果を上げた。」しかし、この「目覚しい成果」が、まさに自画自賛の代物でしかないということをここで明らかにしておきたい。声明の中でもっとも誇らしげに自画自賛しているタックスヘイブン規制ですら、全くのデタラメどころか、むしろタックスヘイブンの公認であることから、他の金融規制についても、その効果は極めて疑わしいといわざるを得ない。
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「ひどい中身だなぁ」。郵政改革の基本方針に関する閣議決定を読んで最初に頭に浮かんだ言葉だ。
「現在の持株会社・4分社化体制を見直し、経営形態を再編成する。この場合、郵政事業の機動的経営を確保するため、株式会社形態とする。」(参考)
郵政改革の基本方針に関する閣議決定(2009年10月20日:PDF)
これのどこが郵政民営化見直しなんだよ。
にもかかわらず、21日付の日経新聞朝刊では、「何のための逆戻りか」(一面)、「これは郵政改革の撤回ではないか」(社説)など、やけに騒がしい。日経新聞ともあろうものが、民営化とは何たるかを知らないはずがないだろう。ミスリードにもほどがある。
東京新聞の20日付の夕刊の一面の報道もひどい。六項目ある郵政改革の基本方針に関する閣議決定のうち、この「株式会社形態とする」という箇所だけを除いて報道している。
はっきり言わなければならない。この閣議決定は、郵政民営化の見直しではなく、郵政事業の見直しである。閣議決定の冒頭でも「郵政事業の抜本的見直し」と高らかに謳っている。株式会社化したうえで、どのような事業形態が可能か、ということに過ぎない。
株式はすべて政府が保有するから民営化ではない? そんなでたらめにカツを入れてくれたのが、フランスから来日しているラ・ポスト(フランス郵政)の労働組合であるSUD-PTT労組のケランさんの話。
「サルコジはこう言っている。『ラ・ポストが株式会社化されても、100%公的な資本によって株式がほゆうされるから民営化ではない』と。しかしそんなでたらめは、これまで株式放出はしないと言って民営化したテレコム、ガス、電力などが、ほんの短期間のうちにその大半の株式を放出したことでも明らかだ。公的企業の株式会社化は当然である、という流れをラ・ポストの株式会社化で作りたいとおもっている。」
フランスでは、こんなサルコジの民営化法案に対して230万の市民が、民営化はノンだ!という市民投票に参加した。ケランさんの話や市民投票の意義については別途論じたいが、とにかく郵政事業の所有形態を問題にしたのだ。
株式は放出しない?100%政府保有? そもそも全国あまねく貯金資金を集めている郵政事業に、どうして資金調達のための株式会社化が必要なのか。利益を出すため??株や金融市場で利益を出すなんて恐ろしい考えを公共サービスに持ち込まないでくれ。
すくなくとも、この閣議決定を「郵政民営化からの決別」なんていう報道はしないでほしい。
